花組芝居「泉鏡花の夜叉ヶ池」
平成21年1月17日・18日、青山円形劇場にて。

原作/泉鏡花
構成・演出/加納幸和
出演/
萩原晃(鐘楼守):水下きよし(武蔵屋組)、小林大介(那河岸屋組)
百合(娘):堀越涼(武蔵屋組)、二瓶拓也(那河岸屋組)
山沢学円(文学士):桂憲一(武蔵屋組)、秋葉陽司(那河岸屋組)
白雪姫(夜叉ケ池の主):山下禎啓(武蔵屋組)、加納幸和(那河岸屋組)

湯尾峠の万年姥(同眷属) 谷山知宏
白男の鯉七(鯉の精) 美斉津恵友
大蟹五郎(薮沢の関守) 大井靖彦
木の芽峠の山椿(腰元) 嶋倉雷象
黒和尚鯰入(剣ヶ峰の使者) 丸川敬之
与十(鹿見村百姓) ※日替わりゲスト
鹿見宅膳(神官代理) 北沢洋
権藤管八(村会議員) 横道毅
斎田初雄(小学校教師) 各務立基
畑上嘉伝次(村長) 磯村智彦
伝吉(博徒) ※日替わりゲスト
穴隈鉱蔵(県の代議士) 溝口健二


ダブルキャストということで、主人公の萩原晃を演じる役者さんの屋号から、武蔵屋組と那河岸屋組の2つのチームごとに上演されたこの公演。

堀越涼さんが可憐なヒロイン百合を演じる武蔵屋組は当然として、もう一方の那河岸屋組も気になるし、今回はさらに配役をシャッフルした天地会なるものまであるのだ。

これはさぁ、ついつい通うよねぇ。……とはいえ、いまのところ平日は仕事の都合がつきそうもないし、とりあえず土日。

で、まずは土曜のマチネで那河岸屋組。

会場に入って客席に着くと、いやぁ舞台が近い。これで、キャパシティは300席くらいだろうか? 本当に円形の舞台なので、見せる方はたいへんだろう。

定刻をやや過ぎて、いよいよ始まる。

最初に登場するのは学円。……えっ?あ、原作とはちょっと違うんだ。でもこの流れには見覚えがある……気がする。2003年のグローブ座バージョンだ。花組芝居の本公演を観たのは、去年が初めてだったけれど、そういえば2003年に観た「夜叉ヶ池」も花組芝居の役者さんたちが登場していたし、構成・演出をなさったのは加納さんだったのだろう。

原作のイメージを活かしながら、ときに笑いを交えて、わかりやすく親しみやすい流れで、学円と百合との会話や、学円と晃の再会の様子が描かれる。

続いて、人ではないモノたちが戯れ始める。サーカスを思わせる色彩豊かな衣装とメイク。リズミカルで大胆な動き。ずっと昔に観たリンゼイ・ケンプ・カンパニーの舞台を思い出した。

そして、夜叉ヶ池の主、白雪の登場。いやぁ!この白雪がキレイだった。その名にふさわしい真っ白な衣装の加納さんが、情熱的で神秘的なお姫様を演じていた。

村人たちの登場では、ややコミカルなやりとりを加えながら、周囲に流されていく百合の哀れさを感じさせる。そこへ現れる晃の頼もしさ。


さて、ソワレは待望の武蔵屋組。始まるとまず堀越さん演じる百合の声に惹きつけられる。そして、すらりとした学円と晃の旧友同士らしいやりとりが好ましい。

眷属たちや村人たちはマチネと同じキャストだけれど、白雪は拵えからしてまったく違う。鬼とも蛇とも言われる夜叉ヶ池の主の猛々しい外観と抑えきれぬ恋心。

村人に責められる場面では、百合の儚さと同時に、かつて背中に8枚の鱗があると噂されていた妖しさが際立つ。

助けに現れる晃の凛々しさと、言葉を尽くして村人を説得しようとする学円の理智と、晃の顔をじっと覗き込む百合の一途さと。

クライマックスの場面。自害した百合の後を追う晃のまっすぐなまなざしがせつない。


昨年、歌舞伎座で観たものとは、同じ「夜叉ヶ池」でもずいぶんと印象が違う。わずかな構成の変更で、この妖しい物語が僧侶でもある学円の思い出話となり、物語は旅の僧がであった不思議な伝説へと形を変えていく。まるで夢幻能のように。


……あ、天地会については、明日書きます。
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by kiki_002 | 2009-01-19 23:53 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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