「おくりびと」
第81回アカデミー賞において、外国語映画賞を受賞し、改めて注目を集めたこの映画。すでに上映が終了していたはずの近くの映画館で、特別上映会が行われたので、観に行った。


所属していたオーケストラが解散してしまい、途方にくれるチェロ奏者 小林大悟。プロの演奏家としての道を諦め、チェロを売り払って故郷に帰った小林が、新聞記事で見た求人広告をきっかけに納棺の仕事を始め、さまざまな迷いや困惑を超えて、納棺師として人の死と向き合っていく様子が丁重に描かれている。

生きることと死ぬこと。特に身内の死に際して感じる痛みや悲しみが、静かに浄化されていく様子など、観ていていろいろなことを感じさせてくれる映画。アカデミー賞受賞以前から好意的な評をいくつも目にしていたが、実際に観てみると確かにいい映画だと思う。

主人公が看取ることのできなかった母。小林が6歳のときに、家を出て行った父。主人公とその妻の関係。生まれてくる子ども。主人公が言うように『死』は誰にでも訪れる当たり前のもの。しかし、死に携わる職業に対する偏見が根強いのは、誰もが死を恐れているからなのだろうか。

誰もが、命あるものを食べて生きていかなくてはならないのだが。

主人公の小林大悟を演じた本木雅弘さんはもちろん、その妻の広末涼子さん、社長の山崎努さん、火葬場に勤める笹野高史さんなどが印象的。特に、30年以上前に交換した「石文」を目にして、主人公がようやく父を許す気持ちになる場面が心に残った。

そういえば、祖母や弟の死んだときのことをボンヤリ思い出しながら観ていた。愛するものの死に際して、その尊厳を大切にしてくれる主人公らに対し、遺族が感謝する気持ちに共鳴する。

静かな満ち足りた気持ちで映画館を出ることができる、そんな映画だった。
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by kiki_002 | 2009-04-03 22:50 | 映像 | Trackback | Comments(0)
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