スタジオミューズ「ボクの部屋」
平成21年4月18日19:00~、シアターグリーンBASE THEATERにて。

作・演出/星 充

出演/藤井千也、島田美智子、横井伸明(しゅうくりー夢)、
岡田玲子、染谷 聡、王 美芳、久保田雅晴、箱木宏美
木原 丹、串山麻衣、池田 遼(少年王者舘)、島田雅美
水口てつ(劇団ばんぶるびぃ)、豊田可奈子(M.M.S.T)、今村 優(劇団 芋屋)

  ※     ※     ※

で、昨日ソワレで観た「ボクの部屋」。この舞台の感想を書こうとして、ふと思った。これって、小説にも映画にもできない、舞台ならではの話だったなぁ、と。

白い壁に囲まれたシンプルな部屋。三方に出入り口、部屋の中央にちゃぶ台が置いてある。その部屋で繰り広げられる平凡な家族の会話。

昭和初期・昭和30年代の終わり頃・そして現在。その3つの時代でごく普通に暮らす、ごく普通の3組の家族が、入れ替わりながら次々に舞台に現れて、まずはそれぞれの家族の関係や状況が丁寧に描かれる。

その中で、しだいに重なり合ういくつものキーワード。たとえばカレーライス。たとえばダンス教室。たとえば飼い猫のタマ。たとえばオリンピック。そしてたとえば、記憶のあいまいさ。

時代も違う、家族構成も違う、最初は何の接点もないように見えた3つの家族が、重なり合うキーワードによって、少しずつ交差し始める。

違う時代の登場人物とすれ違い、訝しそうに振り向いたり、お隣さんかと尋ねたり、あるいは気づかなかったり。

そんな中で見えてくる、もうひとつのキーワードは「母の不在」。ある日突然、出て行った母に対する家族の複雑な思いとか。

とうとう時代を超えて登場人物たちが出会っていく。何が起きているのかよくわからないまま、女たちは『男と女』について語り合う。

最後に壁の前に現れる金属のフレームのようなもの。その合間をゆっくりと壁に突き当たりながら進んで行く人々。すでにそこは彼らの部屋ではない。彼らは、そして私たちはどこに行こうとしているのか。そんな微かな不安を感じたりもして……。

大きく揺れ動こうとする時代に不安や希望を抱きながら、ささやかな市井の暮らしを続ける人々。ときおり挟み込まれるスローモーションが、独特の不思議な感じをより強めていた。

言葉では説明しきれない雰囲気を持った舞台だった。でもまあとりあえず、観るとカレーが食べたくなることは間違いない。

お目当ての横井さんは、鬼でも吸血鬼でも狼男でも王子様でもなく(←こう並べるとなんだかスゴイね)、ついでに言えばごくつぶしのお父ちゃんでもなく、普通の家庭の普通の夫の役だった。

老いた父親を気遣ったり、妻にダンス教室に誘われたり、妹をたしなめたり、そういう日常的な風景をごく自然に演じている様子が、妙に新鮮な気がした。

もちろんスローモーションの場面での横井さんも印象的だった。こういうの、ホントに魅せるよねぇ。

80分という短い芝居の中でいろいろな感情を呼び起こさせられる、見応えのある舞台。そして奇妙な味わいの世界感。できたらもう一回観てみたい気がする。
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by kiki_002 | 2009-04-19 22:15 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
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Commented by Meg at 2009-04-20 22:12 x
お疲れ様でした~♪
はしごでご一緒させていただいて、久しぶりにゆっくりお話も聞けて楽しかったです
次回は美味しいものでも食べながら、またいっぱいお話しましょうね~
Commented by kiki_002 at 2009-04-20 22:46
あ、Megさん♪お疲れ様です。
昼夜ご一緒させていただいて、とっても楽しかったです。
いろいろありがとうございました。

またお目にかかってお話できるのを、楽しみにしています。
あ、美味しいものもいいですね♪
だって、好きなんだもん!
by kiki
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