劇団虎のこ公演 『悪魔のセバスチャンと天才演出家』
平成21年5月24日(日)13:00~、笹塚ファクトリーにて。

作・演出/金子裕

出演/
山鳥響(かつては人気があったけれど、今は多額の借金を抱えた演出家):吉川裕朋
セバスチャン(バーの雇われマスターで実は悪魔):金子裕
三島珠紀(女優・星野の婚約者):西慶子
望月奈菜(女優のタマゴ):貝藤菜穂子
星野鉄平(若手人気演出家):村岡大介
オーナー:皆福百合子
早知(辻の姪):菊地麻利子
フジモト君(バーの客・まゆ子の恋人):朽木正伸
林多江子(山鳥の元妻):祖父江唯
林まゆ子(山鳥の娘):米津詩穂
辻太郎(多江子の再婚相手):川島広輝
アビコ君(フジモト君の同僚):向井康起

-アナタにガキのように笑えるオトナの舞台を-

ひとたび悪魔のお酒を飲むと音色に合わせて気持ちが変わる。
-そんな力を持った心配性な悪魔と、ひねくれた演出家のおりなす楽しいお話。
曲が変われば、アナタも笑う。(チラシより)

少し前から名前は聞いていたけれど、この劇団を観るのは初めて。ただ漠然と、コメディをやる劇団なのだろうと、そんなアバウトなイメージだけを持ちつつ、劇場に向かった。

舞台の上は、落ち着いた雰囲気のバー。いくつかのテーブルと椅子が並べられている。

テーブルのひとつに座って、本を読んでいる白髪交じりの初老の男。ジャケットを羽織ってはいるけれど、サラリーマンには見えない服装。男の名は山鳥。

カウンターには白と黒のバーテンダースタイルに決めた男。どうやら、この店のマスターらしい。自らを悪魔だとなのるそのマスターの名はセバスチャン。

尊大な態度だったのに、ジンジャーエールの代金も持ち合わせていなかった山鳥は、そのまま、その店でアルバイトをすることになるのだが……。

やってくる客たちと、山鳥との関係が次々と明らかになって、山鳥の過去や現在の状況が見えてくる。酒と音楽で人間の隠された感情をあらわにしてしまうセバスチャンの力と、山鳥の思惑とが合わさって、客たちを翻弄していく。だが、山鳥の思い通りにもなかなか行かず。

滑稽な場面の連続に笑いながら、ときにほろ苦いものを感じたり、悪魔に操られながらも、それぞれのキャラクターの思いが感じられたり。

たとえば、いかにもいまどきの高校生で、叔父さんに対しても生意気な口調だった佐知が、ひとり店に戻ってきて、山鳥に向かって、叔父さんを祝福してあげて、という場面で不覚にも感動してしまった。

笑いを重ねつつ、本当に修羅場になりそうなところは、あえて暗転で処理するあたり、ドタバタになりきらないスマートさが感じられたり。

ほろ苦い笑いと人生に対するさまざまな考察とを兼ね備えた、上質なコメディ。そして、すべての登場人物が個性的で魅力的な、そういう芝居だった。
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by kiki_002 | 2009-05-24 23:26 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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