横浜能楽堂特別公演
平成21年5月23日(土)14:00~、横浜能楽堂にて。

炎天下の坂道をゆらゆらと登る。まだ5月だというのに、暑さでアスファルトが歪んで見える。坂の途中で右手に曲がると、その先の公園の一角に、横浜能楽堂があった。外の暑さを忘れるような、心地よいほの暗さ。能楽堂には珍しい2階席に向かうと、三間四方が正面に見える、なんとも贅沢な席だった。

狂言「武悪」
主:山本東次郎、太郎冠者:山本則孝、武悪:山本則直

能 「石橋 大獅子」
白獅子:関根祥六、童子・白獅子:関根祥人、赤獅子:関根祥丸
寂昭法師:森常好、せがれ仙人:山本泰太郎
大鼓:柿原弘和、小鼓:大倉源次郎、太鼓:観世元伯、笛:一噌幸弘

まずは、狂言「武悪」。狂言には珍しく、いきなり主が声を荒立てて、人を呼ぶ。いつもなら、『この辺りの大名でござる』などと、おっとり自己紹介から始まることが多いのに。

登場した太郎冠者に主が命じたのは、武悪という家来の言動が目に余るため、討つようにということ。

とりなそうとする言葉も聞かない主人に、仕方なく武悪の元へ向かう太郎冠者。しかし、結局は武悪を逃がしてやり、主人には討ったと報告する。

後半は、死んだはずの武悪と出会ってしまった主従と、太郎冠者の入れ知恵で幽霊のフリをする武悪のやりとりが笑いを誘う。

以前、同じ演目を万作家で見たときは、萬斎さん演じる主が怯える様子を笑いながら、もしかするとこの人は、武悪が生きてることに気がつきながらトボけてるんじゃないかなどと思ったりもしたが、今回はもっとシンプルに、立派な主人が怯える様子に会場中で笑いが起こっていた。

休憩を挟んで、いよいよ「石橋」。

清涼山へ向かう石橋の前で、寂昭法師が童子に呼び止められる。どうやら簡単にわたることはできないらしい。しばらくすると唐獅子が現れ、紅白の牡丹に戯れながら豪壮に舞う。

大獅子の小書きがつくと、獅子が複数となるのだけれど、獅子3人というのは変則的な扱いらしい。今回は、親・子・孫の三代で獅子となるのだ。

祥六先生の孫である祥丸さんは15歳。まだ面をつけることができないため、赤い布を顔の前にたらして、赤獅子に扮する。切れのいい動きがいかにも若々しい。

前場の童子と白獅子を演じるのは、祥人先生。祥丸さんの赤獅子に対して、同じ動きでも力とスケールを感じさせる。

そして、登場するもう一頭の白獅子。2頭の獅子の様子を見守るようにやや離れて舞う。

赤と白の牡丹。不思議な獣たちの乱舞。この世のものではないような不思議な風景を観たような気がする。
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by kiki_002 | 2009-05-25 22:46 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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