東京パチプロデュース第四回公演「バンサラ!!」
2009年 07月 07日
平成21年7月4日19:30~、江古田ストアハウスにて。
作・演出/亀田真二郎
出演/お菊:赤荻純瞬(劇26.25団)、
芳次:小林大輔、庄七:ゴウタケヒロ(POOL-5)、金の字:竹内健史
キク:東さや香、青山主膳:藤波瞬平、政二郎:山田英真、
お峯:枝見衣利子、黒子の銀二:亀田真二郎
「バンサラ!!」というタイトル、番町皿屋敷の略らしい。この有名な怪談の哀れなヒロインお菊さんに、天国で笑ってもらおうというコンセプトのコメディだそうな。
荒れ果てた寺に集まった非人たちが、その寺の古井戸に現れる幽霊を見てしまったところから物語は始まる。
その幽霊が語るのが、いわゆる番町皿屋敷のストーリー。青山主膳の屋敷で働くキクはひそかに政二郎に思いを寄せるが、主である主膳はキクを自分のモノにしようと、あるワナをしかける。
家宝である10枚組の皿の手入れをキクに命じながら、その1枚を隠してしまい、その罪をキクに着せて、自分の妻になるよう迫る。しかし、それでも首を縦に振らないキクを見て、可愛さあまって憎さ百倍、思わず斬り殺し、井戸に捨ててしまう。
罪もなく殺されたキクは、その恨みゆえ成仏することもできずに、夜な夜な皿を数えるのだった。
そんな陰惨な物語に笑いを絡ませ、最後は力技の遠山裁きでオチをつけるのかと思ったら……。
時代ものの雰囲気にこだわり、細かい部分にまで神経の行き届いた空間を生み出していたり、怪談と笑いを、微妙なバランスでまとめていたり、なかなか見応えのある作品。
青山主膳を演じた藤波さんは、その邪恋を若々しい一途さとして、卑劣な策略を不器用な恋の駆け引きとして見せることで、憎まれ役であるはずの主膳を単なる悪人ではない、弱い男として描いて印象的だった。
この方の着物姿は初めて拝見したけれど、着こなしも所作もずいぶんと自然で、慣れてらっしゃるように見えた。今度は、着物で殺陣のある役を見せていただきたいなぁ、と思ってしまった。
天国のお菊さんは、この舞台を観て笑っただろうか?観終わって、そんなことを思いながら劇場を後にした。
作・演出/亀田真二郎
出演/お菊:赤荻純瞬(劇26.25団)、
芳次:小林大輔、庄七:ゴウタケヒロ(POOL-5)、金の字:竹内健史
キク:東さや香、青山主膳:藤波瞬平、政二郎:山田英真、
お峯:枝見衣利子、黒子の銀二:亀田真二郎
「バンサラ!!」というタイトル、番町皿屋敷の略らしい。この有名な怪談の哀れなヒロインお菊さんに、天国で笑ってもらおうというコンセプトのコメディだそうな。
荒れ果てた寺に集まった非人たちが、その寺の古井戸に現れる幽霊を見てしまったところから物語は始まる。
その幽霊が語るのが、いわゆる番町皿屋敷のストーリー。青山主膳の屋敷で働くキクはひそかに政二郎に思いを寄せるが、主である主膳はキクを自分のモノにしようと、あるワナをしかける。
家宝である10枚組の皿の手入れをキクに命じながら、その1枚を隠してしまい、その罪をキクに着せて、自分の妻になるよう迫る。しかし、それでも首を縦に振らないキクを見て、可愛さあまって憎さ百倍、思わず斬り殺し、井戸に捨ててしまう。
罪もなく殺されたキクは、その恨みゆえ成仏することもできずに、夜な夜な皿を数えるのだった。
そんな陰惨な物語に笑いを絡ませ、最後は力技の遠山裁きでオチをつけるのかと思ったら……。
時代ものの雰囲気にこだわり、細かい部分にまで神経の行き届いた空間を生み出していたり、怪談と笑いを、微妙なバランスでまとめていたり、なかなか見応えのある作品。
青山主膳を演じた藤波さんは、その邪恋を若々しい一途さとして、卑劣な策略を不器用な恋の駆け引きとして見せることで、憎まれ役であるはずの主膳を単なる悪人ではない、弱い男として描いて印象的だった。
この方の着物姿は初めて拝見したけれど、着こなしも所作もずいぶんと自然で、慣れてらっしゃるように見えた。今度は、着物で殺陣のある役を見せていただきたいなぁ、と思ってしまった。
天国のお菊さんは、この舞台を観て笑っただろうか?観終わって、そんなことを思いながら劇場を後にした。
by kiki_002
| 2009-07-07 23:56
| 舞台