まねきベコ
地方の駅前にある小さな商店街。ご多分に漏れずシャッターがしまったままの店舗も目立つ。建物の多くは、建てられてから、30年や40年以上になるかもしれない。お世辞にも、新しいとか、キレイだなんて言えない。

その中に、15年ほど前から空き店舗となっていた洋品店がある。壁も天井も破れ、カビやホコリに埋もれかけた廃墟同然のその店を、地元の跡取り連中が格安で借り受けて、3年くらいになるだろうか。

それぞれの店の仕事を終えた後、夜な夜な集まって、掃除をし、ペンキを塗り、天井の穴をふさぎ、壁を張替え、そうやって少しずづ、人の集まる場所に変えていって、いまでは駅前活性化の小さな拠点となった。観光客への案内所と休憩所、講座などのできる畳敷きの集会所、椅子とテーブルのある会議室。

彼らの駅前活性化のシンボルは、まねきベコのモースケ。招き猫のポーズをとった牛のキャラクターだ。この地域は、本州一の牛乳の生産地だから、ということらしい。集まった人脈を駆使して、格安で東京のデザイナーに協力してもらったので、なかなか愛嬌のある親しみやすいキャラクターとなった。

モースケの両側に書かれている「笑売繁盛」と「一客再来」の文字。

楽しんで商売して、千客万来ではなく、少しのお客さんにリピーターになってもらう。こんな小さな商店街だもの、千客が訪れてもあわてるだけ。それよりもいまの時代、気に入って繰り返し来てくれるお客さんが増えれば。

そんな思いが込められているらしい。

大の大人が集まって、秘密基地でもつくるように手塩にかけて整えた居場所で、そんなキャラクターやそれに添える言葉を考え、次の仕掛けは、年金受け取りのお年寄りに向けたイベントだったり、あるいは、もったいないという言葉をキーワードにしたエコイベントだったり。

どれも、商店街だけでなく地元の企業や学校、自治体などに声をかけ、生え抜きの市民ならではのコネクションを活かし、小さな活動の輪をしだいに広げていく。

JR黒磯駅という田舎の駅前商店街の話だ。

なんの変哲もない寂れかけた田舎町に見えるかもしれない。けれど、もし機会があったら、その駅前の通りを歩いてみて欲しい。そば屋にも、ガソリンスタンドにも、お菓子屋にも、妙に愛嬌のあるまねきべこのポスターが張ってあって、なにかちょっと工夫したイベントをやったりしているかもしれない。

今日、仕事で訪れた街で聞いたそんな話。

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by kiki_002 | 2009-09-08 23:56 | 日々のこと | Trackback | Comments(0)
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