グイン・サーガ第129巻「運命の子」
著者:栗本薫
出版社: 早川書房(ハヤカワ文庫)
発売日: 2009/10/10

先日のクラス会で、話をしていて気がついた。私がグイン・サーガを読み始めたのは高校のとき、図書館に並んでいたこのシリーズを手に取ったのがきっかけだった。そして、いまもこうして同じこのシリーズを読んでいるのは、なんだか不思議なことのように思える。

ミロク教もその聖地であるヤガも、なにか怪しげで不穏な雰囲気を放ち、ヨナが信じていたような素朴な信仰とはずいぶんと遠いものになってしまっているようだった。

とうとうその奇妙な姿の一端を現し始めたヤガから、必死で逃げ出そうとするスカールとヨナ。

それにしても、フロリーって人はけっこう魔性の女なんじゃない?いや、内気で慎ましやかで信心深い女性だということは重々知っているけど。

それにしたって、イシュトが王座を投げ打って彼女と逃げようとしたこともあったし、マリウスと互いに憎からず思いあっていたこともあった。そして、ヤガの街でヨナと再会してからは、やっぱりお互い意識しているようじゃないの。まあ、魔性……というより、恋に恋する少女、なのかもしれないけど。

ま、いま彼女が一番大切にしているのは、息子のスーティだってのは間違いないけどね。そのスーティ、これがねぇ、またホントにただモノじゃないよねぇ。あのイシュトとの間に出来た息子だから、っていう立場もあるけどね、なにしろ、いまじゃイシュトもゴーラ王だし。

でもそれ以上に、この幼子の持つ底知れない力はいったいどこから来るんだろう?グインもスカールも、この子を前にするとメロメロじゃないの。いっそ早くカメロンさんに逢わせてみたいくらいだ。どう考えたって、カメロンがこの坊やにぞっこんになるのは眼に見えてるんだけどね。

読みきれないのはイシュトの反応。あの人はねぇ。まだ心の底では、彼自身が幼い子どものようなものだから。それでも、少なくてもスーティの幸薄い弟ドリアンよりは、スーティを気に入るだろうとは思うけど。

相変わらずのグラチウスやイェライシャといった大魔道師たち。まあ、ヤンダルゾックよりはずいぶんと人がましい気はするけど、それでも、油断ならないことは変わりない。

そんな魔道師たちでさえ、あの子を手元に置きたがるのは、まあ人情からじゃないとしても、スーティという子どもの行く先は、どう考えても波乱万丈なものになりそうだ。

……それなのに、この子の育っていく様子を見るのことはもう無理なのだと思うと、本当に残念だ。

12月発売の130巻。これで彼女の残したグインはすべてなのだろうか。そう思うと、長い旅の途中で行き先を見失ったような、そんな気分になる。
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by kiki_002 | 2009-10-29 23:49 | | Trackback | Comments(2)
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Commented by モトリークルー at 2009-10-30 20:21 x
(´-ω-`)

えっと…

そのぉ… まったく… あの
解りません

宇宙の言葉ですか?

佐賀県なら 知っていますが…

違いますよね?すみません
Commented by kiki_002 at 2009-10-31 01:11
にはははは、すいません……(汗)
長い長い小説のシリーズ最新刊の感想なんですが、
読んでる人にしかわからない内容ですよね。

ちなみに、佐賀県ではありません♪
だって、好きなんだもん!
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