栃木県立美術館「-日本画創造の苦悩と歓喜-大正期、再興院展の輝き」
大正時代の初め、横山大観らの尽力によって活動休止状態にあった日本美術院が再興された。その再興院展を立ち上げた日本画家たちの実力や、西洋画の影響と時代の流れによって変わって行く日本画の表現を、約130点の名品で綴る展覧会。

イメージどおりの端正な日本画もあれば、驚くほど写実的な作品もある。あるいはややコミカルなほど個性的な作品や、予想以上に多彩な水墨画の表現など、観ていて飽きることのない充実した作品が展示されている。

会場を観ていくと、木村武山の「小春」にまず目を惹かれた。6曲1双の屏風に描かれているのは、ちょうど今の季節の風景。たわわに実った柿の枝や真っ赤に燃える葉鶏頭を写実的に描いたその屏風の前で、思わずしばし足を止めた。

あるいは、小川芋銭の「水魅戯」。ユーモラスな、しかし力強いタッチで描かれているのは、水の流れとその中に見え隠れするカッパやその他さまざまな水の妖怪たち。こんな日本画もあるんだなぁ。

北野恒富の「暖か」では、芸妓だろうか、赤い長襦袢を着た若い女が、こちらを向いてしどけなく座っている。やわらかな女の身体とそのまなざしが魅力的。

速水御舟の「遊魚」で描かれた2匹の魚の繊細な美しさは、対象を観察する眼の確かさを感じさせる。

大正期の日本画家たちが、新しい表現を模索していく中で感じた苦悩と歓喜。タイトルにあるとおりの印象を感じさせる充実した展覧会となっているように感じられた。



-日本画創造の苦悩と歓喜-
大正期、再興院展の
横山大観、下村観山、安田靫彦、小林古径、速水御舟ら総勢30人の力作

栃木県立美術館
平成21年11月1日~12月13日
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by kiki_002 | 2009-11-15 00:53 | 美術 | Trackback | Comments(2)
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Commented by モトリークルー at 2009-11-15 23:35 x
難しい~。いやはや ホント 多趣味で凄いですね!! 芸術に 対して 感銘を受けるというのは 心が 綺麗で 真っ直ぐであるという証拠です。これからも もっと 色々と 感動を求めて 趣味を お広げください。
Commented by kiki_002 at 2009-11-16 01:07
文章にすると漢字が多いので難しそうですが、
実際に観ると、この辺りの日本画はけっこう判りやすいですよ♪

心が綺麗…と言われるとお恥ずかしいですが、
とりあえずいろいろなモノを観ていけたらいいなとは思ってます。
だって、好きなんだもん!
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