Bunkamura20周年記念企画「十二人の怒れる男」
平成21年12月5日14:00~、Bunkamuraシアターコクーンにて。

作/レジナルド・ローズ
訳/額田やえ子

演出/蜷川幸雄

出演/
中井貴一
筒井道隆、辻 萬長、田中要次
斎藤洋介、石井愃一、大石継太、
柳 憂怜、岡田 正、新川將人
大門伍朗、品川 徹
西岡德馬


1957年に上映された“法廷もの”の代名詞と呼ばれる映画「十二人の怒れる男」。ベルリン国際映画祭金熊賞受賞、アカデミー賞3部門にもノミネート、2007年にはロシア人監督のニキータ・ミハルコフによって、舞台設定を現代のロシアに置き換えて翻案した作品が製作され、ヴェネチア国際映画祭金獅子賞やアカデミー外国語映画賞候補に選ばれるなど、世界的に高い評価を得た作品です。
本年5月から日本でも「裁判員制度」が始まり注目を集める中、この作品に新たに挑むのは当劇場の芸術監督でもある蜷川幸雄。そしてキャストにはシアターコクーン初登場となる中井貴一、蜷川との待望の初顔合わせに期待に胸が高鳴ります。また、蜷川作品に欠くことの出来ない西岡德馬、他にも蜷川組初登場から常連組まで、緩急自在の頼もしい個性的な面々が次々と決定いたしました。
(Bunkamura公式HPより)


映画好きな友人に誘ってもらって観に行くことになったこの芝居。映画版は確か、ずいぶん前にテレビで観たような気がするし、有名な話なのでなんとなく概略はわかっているつもりだった。

……だけど。

そもそもよくできた脚本なので、映画版だってとても面白かった記憶がある。けれど、それ以上に、目の前に繰り広げられる芝居の濃密さに、目を奪われた。特に終盤、客席を含めた劇場全体が緊迫した雰囲気に包まれ、物語は加速して行くように見えた。

だいたい、席がよかった。一緒に行った友人が、発売日にプレイガイドに並んでゲットしてくれたおかげだ。舞台を四方から取り巻くベンチシートの上手側の最前列ほぼ中央。うわ、役者さんが目の前で立ち止まるッ。迫力ありました。

知らない者同士集められた男たち。ひとつの部屋の中だけで物語が進む。登場人物たちが感じているその閉塞感とかすかな苛立ちを客席もやや共鳴しながら、自明と思われた事件への『合理的な疑問』について話し合っていく。人の生死を左右する場ならではの緊張感が伝わってくる。

そもそも男性ばかり12人もいて、ちゃんと登場人物が見分けられるかしら?などという心配は、見始めるとあっという間に消えた。生真面目そうな建築士、野球好きのセールスマン、東欧出身の時計職人、頑固な自動車整備工場の経営者、太って陽気なペンキ職人、やや調子のいい広告代理店の社員、銀行マン、高校のフットボールのコーチ、それぞれの職業や性格や考え方、話し方、それそれの個性がきっちり伝わってくる。

父親を殺した罪で裁判にかけられている少年について、全員一致の表決が出るまで話し合うことになっているのだが、12人中たった1人だけが少年の無罪を主張した。最初は、話し合いで意見が変わったりまとまったりするとは思えない雰囲気だったのに、話し合ううちにさまざまなことに気づき始める。

さまざまな経歴を持つ男たちのそれぞれの知識や経験から、また新たな疑問や視点が現れていく。

とにかく圧倒的な言葉・言葉・言葉だ。そうやって交わされていく言葉たちが、他の何よりもスリリングであることが、この芝居を見るとわかってくる。

どっしりと骨太で濃密な芝居。その緊張感とそして、言葉によって事実や真実が現れようとしていくその爽快感と。

観終わって、思わず大きく息をついた。充実した時間を過ごせた。そんな芝居だった。
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by kiki_002 | 2009-12-05 23:55 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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