ひょっとこ乱舞 第22回公演「モンキー・チョップ・ブルックナー!!」
平成21年12月19日14:00~、シアタートラムにて。

作・演出/広田淳一

出演/
チョウソンハ、中村早香、橋本仁、笠井里美、松下仁、根岸絵美、齋藤陽介、コロ(柿喰う客)、佐藤みゆき(こゆび侍)、小菅紘史(第七劇場)、永島敬三


さて、「旅がはてしない」に続いて、2度目となるひょっとこ乱舞。今回、会場がシアタートラム、そして柿食う客のコロさんご出演、ということで、つい3ヶ月ほど前にこの劇場で観た、柿喰う客の「悪趣味」を思い出すが、まったくタイプの違う作品。

まずはアクシデントについて。

主要な出演者の1人が公演が始まってから怪我をし、車椅子で登場することとなった。そもそもの演出意図とは違うところで解釈される恐れもあるため、冒頭で作・演出の広田淳一氏がそれについて挨拶と解説。

オープニング。詩のような言葉の連なりを掛け合い風に。テーマは『監禁』。私の自由を奪うものはなにか。私は自由になりたいのか。

そしてようやく物語が始まる。

古い家をシェアして暮らす3人の男女。そこに転がり込んできたのは、監禁されていたところから逃げてきたのだという少女。言葉少なく、怯えた小動物のような彼女に引かれ始める男。

監禁していた男(?)からの電話、アルバイト先の居酒屋でのごたごた、学生時代にやっていたハンドボールの話、そんな周辺の声から耳をふさぎ、バランスを崩し始める主人公。

少女と主人公の関係。かくまっているのか、守っているのか、監禁しているのか。彼女は何を望んでいるのか。

劇中の携帯電話を、固定電話で代用して見せたり、四角いテーブル状の家具を組み合わせセットの代わりにしたり、得体のしれない少女を3人の女優が入れ替わりながら演じたり、mixiの日記を独白のように使ったり、いくつかの仕掛けが、人と人とのコミュニケーションの危うさを示すようにも見えて。

不安な気分が高まる中、主人公は日常の世界から、逸脱していくけれど。

ラスト。同居人だった先輩の差し出す手を、自分自身を監禁していたはずの主人公が握り、檻のような枠のようなものをすり抜け、そして先輩の名を男が呼ぶ。

それは、追い詰められたような空気を振り払う、ひとつの救い。何があったのか事実としては語られないけれど、人は1人ではいられないのだと、手を取り、名を呼んで、向き合って立ち上がった主人公と先輩の姿は、そういう風に見えた。

ささいな動きに、出演している役者さんたちの身体能力の高さが感じられ、バランスを崩していく主人公を演じるチョウソンハさんの危うさに釘付けになったり、謎の少女の1人を演じる佐藤みゆきさんの怯える様子がコケティッシュだったり、コロさん演じる同居人の女性の圧倒的な自然さに共鳴したり、客席が舞台をはさむカタチに設けられていたり。

やや抽象的な表現も含めて、いろいろと刺激的な舞台だった、と思う。
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by kiki_002 | 2009-12-20 23:00 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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