井上ひさしさんのこと
2010年 04月 12日
井上ひさしさんが亡くなったそうだ。
ここ数年の関心でいうなら、劇作家としてのご活躍や作品について語るべきところだけれど、しかしこの方の名前を聞いて一番に思い出すのはいまも『ブンとフン』という小説のことだ。
最初に読んだのはもうずいぶん昔のことだけれど、その文庫本がいまだに手元にある。さすがに日焼けして変色し、やや埃っぽい匂いのするその古びた本に、ずいぶんと笑わせてもらい、楽しませてもらったものだ。
売れない小説家フン先生の書いた小説の主人公、不可能なことなど何もないブンという大泥棒の活躍を描いたこの本。ナンセンスと風刺、そして軽やかで馬鹿馬鹿しいけれど縦横無尽なその文章と。読み始めたら、途中で止めることなどできない、なんとも面白い本だった。
自分たちの世代なら、NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』についてもいろいろ語れるだろうし、高校時代に分厚い上下二段組のハードカバーを図書館で借りて読んだ『吉里吉里人』はさまざまな賞を得た氏の代表作のひとつだろうと思う。
戯曲では、2007年に蜷川幸雄氏が演出し古田新太さんが主演した『藪原検校』の再演が、個人的には印象に残っている。
それでも、井上ひさしさんのお名前を聞いて私が最初に思い出すのは、この小さな古びた文庫本『ブンとフン』なのだ。
今年も氏の書いた芝居が何本も上演を予定されている。そういう芝居に足を運んでみようか、と思うと同時に、近いうちにその小さな本を読み返してみよう、と思ったりもする。
それを読んで笑いながら氏のご冥福を祈るというのも、なんとなくふさわしいのではないか……という気がするのだ。
ここ数年の関心でいうなら、劇作家としてのご活躍や作品について語るべきところだけれど、しかしこの方の名前を聞いて一番に思い出すのはいまも『ブンとフン』という小説のことだ。
最初に読んだのはもうずいぶん昔のことだけれど、その文庫本がいまだに手元にある。さすがに日焼けして変色し、やや埃っぽい匂いのするその古びた本に、ずいぶんと笑わせてもらい、楽しませてもらったものだ。
売れない小説家フン先生の書いた小説の主人公、不可能なことなど何もないブンという大泥棒の活躍を描いたこの本。ナンセンスと風刺、そして軽やかで馬鹿馬鹿しいけれど縦横無尽なその文章と。読み始めたら、途中で止めることなどできない、なんとも面白い本だった。
自分たちの世代なら、NHKの人形劇『ひょっこりひょうたん島』についてもいろいろ語れるだろうし、高校時代に分厚い上下二段組のハードカバーを図書館で借りて読んだ『吉里吉里人』はさまざまな賞を得た氏の代表作のひとつだろうと思う。
戯曲では、2007年に蜷川幸雄氏が演出し古田新太さんが主演した『藪原検校』の再演が、個人的には印象に残っている。
それでも、井上ひさしさんのお名前を聞いて私が最初に思い出すのは、この小さな古びた文庫本『ブンとフン』なのだ。
今年も氏の書いた芝居が何本も上演を予定されている。そういう芝居に足を運んでみようか、と思うと同時に、近いうちにその小さな本を読み返してみよう、と思ったりもする。
それを読んで笑いながら氏のご冥福を祈るというのも、なんとなくふさわしいのではないか……という気がするのだ。
by kiki_002
| 2010-04-12 00:49
| 日々のこと