願わくは……
北森鴻さんが亡くなったそうだ。

今年の1月25日のことだというから、すでに三ヶ月近く経つというのに、不覚にもつい最近まで知らずにいた。きっとニュースなどでも報道されただろうに。

まだ48歳だったそうだ。一読者としては、本当に残念だ。

この方の作品は、まず蓮丈那智のシリーズで知った。才能と美貌を併せ持ちながら、独自の方法論と我が道を行く性格ゆえに異端と呼ばれてしまう民俗学者 蓮丈那智のフィールドワークとそれに伴って起こるさまざまな事件。助手の内藤三國とのやり取りも絶妙だった。

それから、香菜里屋というビアバーを舞台にした連作短編集。路地裏にある居心地のいい小さなバー。そこに集う客とマスターの会話。美味しそうな料理とビール。そして、マスターによる謎解き。

こういうタイプの短編連作、好きなんだよねぇ。鮎川哲也氏の『バー〈三番館〉シリーズ』とかアシモフの『黒後家蜘蛛の会シリーズ』とか。洒落た会話とささやかな謎、それを解く個性的な探偵役、いいよねぇ、ホント。

その他にも、面白そうなシリーズがいくつもあって、特に旗師・冬狐堂のシリーズは読もう読もうと思っていながら、まだ読んでない。

単発の作品もそれぞれに面白いし、まだすべての作品を読んだわけではないけれど、なんとなくこの方の作品を読んでいるうちに、「あっ!」と驚くような、あるいは「ああ、これだ」と思うような、そういう作品に出会えるような気がしていたのに。

48歳。早過ぎるとしか言いようがない。

香菜里屋シリーズの最初の1冊は『花の下にて春死なむ』。その表題作を読んだときの不思議な静けさを感じさせる印象は、いまも鮮やかに思い出すことができる。

ご冥福を心からお祈りします。そして、残された作品をこれから少しずつ読ませていただこうと思う。
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by kiki_002 | 2010-04-21 23:43 | | Trackback | Comments(0)
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