『ファウストの悲劇』初日感想
平成22年7月4日(日)19:00~、Bunkamuraシアターコクーンにて。

作/クリストファー・マーロウ
訳/河合祥一郎
演出/蜷川幸雄

出演/野村萬斎、勝村政信 長塚圭史 木場勝己 白井晃
たかお鷹 横田栄司 斎藤洋介 大門伍朗 マメ山田
日野利彦 大川ヒロキ 二反田雅澄 清家栄一 星智也
市川夏江 大林素子 時田光洋 中野富吉 大橋一輝
手打隆盛 鈴木彰紀 川崎誠司 浦野真介 堀源起

『ファウストの悲劇』は、W.シェイクスピアと同時代のエリザベス朝時代に活躍したイギリスの劇作家クリストファー・マーロウによって1592年に書かれた作品で、ドイツに実在した錬金術師ファウストの伝説をもとにしたと言われています。現在でも幾度となくイギリスで上演され続けている16世紀の古典演劇の名作に、河合祥一郎の生きた新訳により新しい命を吹き込みます。
注目の出演者は、蜷川組常連の俳優から、様々なジャンルで活躍する今回初登場のキャストなど、作品を盛り上げる話題の面々が多数顔を揃え『ファウストの悲劇』の劇世界を縦横無尽に駆け巡ります!!
作品と演出家と俳優のエネルギーがぶつかり合って生まれる壮大な舞台、どうぞご期待ください!
(劇場HPより)

いったい誰が、この戯曲をやろうといいだしたんだろう?……初日の舞台を観ながら、ふとそんなことを思った。

悪魔が飛び交い、天使がささやく、一大スペクタクル。主人公は世界各国をまたにかけ、魔法で過去の英雄や美女を登場させて喝采を浴びたり、いたずらをして人を怒らせたり。荘厳で滑稽、神聖で猥雑、そういう奇妙な物語を。

パンフレットを読むと、どうやら蜷川氏が言い出した訳ではないらしい。いったい誰が、どんな悪魔のささやきによって、あるいはどんな天使の導きによって、この物語を蜷川幸雄演出・野村萬斎主演で上演しようなどという暴挙を思いついたのだろう?

演出するにも、演じる方にも、難しい面も多かったことと思う。しかし、不可思議な化学変化を経て、なんだか凄いものができてしまった、という気がする。

開演前、舞台を覆うのは緞帳ではなく歌舞伎で使う定式幕。客席には赤い提灯が下げられている。この物語の外枠として、『ファウストの悲劇』を上演しようとする歌舞伎一座という設定が加えられているのだ。

冒頭の口上や、音楽、ときおり混ざるちょんまげ姿の登場人物など、その設定をうっすらと感じさせながら、あまりストーリーにまでは関わってこないため、あまり意味を感じなかったのだけれど、パンフレットを読むと、役者さんたちはそれぞれ、ファウストの中の役と、それを演じる歌舞伎一座の役者の二重構造を意識しながら演じていたようだ。

ステージの下のスペースで着替えているところが見えたり、背後のセットがハーフミラーになっていて、鏡になったり、ガラスになってその奥の楽屋?めいたものを見せたりしていたのも面白かった。

これまで観てきた蜷川氏の舞台の数々を思い出させる断片的なモチーフ。歌舞伎一座が演じるファウストということで、見世物めいた作り物らしさがいい感じだったり。そういったさまざまな仕掛けが、1度だけではつかみきれないくらい散りばめられている。

その結果、世にも不可思議で煌びやかな、ひどく可笑しくてどこか切ない、そういう世界がステージ上に立ち現れることになったのだ。

……どうも抽象的な形容詞の多い文章になってしまう。なにしろまだ初日を迎えたばかりの舞台だ。あまりネタバレしてはなるまいと思うと、つい。

これは、また観に行く予定なので、そのときに改めてもう少しわかりやすい感想を書きたいと思う。
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by kiki_002 | 2010-07-08 23:52 | 舞台 | Trackback(1) | Comments(1)
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Tracked from ☆みぃみの日々徒然日記☆ at 2010-07-27 12:15
タイトル : 舞台:「ファウストの悲劇」♪。
平成22年7月27日(火)。 7月25日(日)、Bunkamuraシアターコクーンにて千秋楽鑑賞。 舞台:「ファウストの悲劇」レポ。 【劇作・脚本】クリストファー・マーロウ 【翻 訳】河合祥一郎 【演 出】蜷川幸雄 【 キャスト 】野村萬斎 ・ 勝村政..... more
Commented by みぃみ at 2010-07-28 10:37 x
はじめまして。コメントありがとうございました(^^)。
「ファウスト」といえば、ゲーテ、ひょっとして暗~いのか?、でも蜷川さんだし、きっと何か楽しめるはず…、と思いながら劇場へ。
幕が開いて、木場さんの陽気な口上が始まってからは、すっかり舞台に魅き込まれていました。
笑いと切なさ、楽しさと苦悩、様々な想いが展開していく。。。
いい作品だなぁ。。。観に行って良かったと心から思いました♪。
だって、好きなんだもん!
by kiki
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