わらび座「アトム」東松山公演
平成22年7月10日(土)15:00~、東松山市民文化センターにて。

原案/手塚 治虫
脚本・演出/横内 謙介
作曲/甲斐 正人
振付/ラッキィ池田、彩木 エリ

出演/
トキオ:三重野 葵
マリア:碓井 涼子
アズリ:柳瀬 亮輔(フリー)
ダッタン:宮本 昌明
タケ:岩本達郎(劇団扉座)
エミ:鳥潟 知沙

神楽坂町子:椿 千代
スーラ:岡村 雄三

チルチル/クロキ:千葉 真琴
ウメ/ジュリー:小林 すず
シアン:森下 彰夫
チータン:神谷 あすみ
ヘレン:工藤 純子

さて、2度目の「アトム」。

先月の新宿公演を観て以来、なんとかまた観たい、と思っていたのだけれど、どうやらこの週末を逃すと、当分の間、関東での公演がないらしいということで、日程的にはやや強行軍ながら東松山市公演に行ってきた。

さて、今回観た全国ツアーバージョンは、新宿公演とキャストが変わっている。新宿と兵庫は特別バージョンで、どっちかっていうと今回観た方がスタンダードなんだろう。

主人公のトキオは、新宿で主人公の親友アズリを演じていた三重野さん。明るく元気で可愛らしい新宿版の良知トキオと比べると、元気な中にやや生真面目さが感じられるトキオに見えた。後半の悲しみや怒りの表情が印象的で、もっと暗い思いを抱える役も見てみたいと思ったりした。

アズリは、扉座にもゆかりの柳瀬さん。三重野アズリは優しさと同時に意思の強さを感じさせていたが、柔らかな笑顔を浮かべた柳瀬アズリはどこまでも優しい。そんなアズリが、しかも非力なロボットの身で、必死にマリアをかばう姿が胸に迫る。

非力……。そう、この物語ではロボットが人に危害を加えることのないよう、ロボットのハイパワーを法律で禁じているということになっている。

彼らには人間の半分以下の力しかなく、しかも、人を傷つければすぐにでも分解されてしまうという弱い立場なのだ。殴られても殴り返すこともできない。

その設定が、実はこの舞台のポイントのひとつと言えるだろう。

そういうロボットたちを、憂さ晴らしのように殴ったりする人間も多い。ここで登場するタケもその一人。決して悪人ではないのに、相手がロボットというだけで、罪悪感もなく相手を傷つける。そういう平凡な人間の弱さ。

え~~と、この辺から少しネタバレなのでご注意を。

そんな人間たちに対して、彼らが選ぶ道は、武器や力を得て人間の暴力と戦うことではなく、理不尽な暴力にさらされても、ただ揺るがない意志を持ってそこにいること。

マリアを守ろうとするアズリも、「好きにしなよ」と言って、静かにスーラと向き合うトキオも、自らの運命を知りながらトキオを助けてしまうダッタンも。

そんな彼らの姿がもうホントにせつなくて、この芝居を何度観てもきっと私は泣いてしまうだろう。

彼らが自分の身を投げ出すようにして、守ろうとしたもの。夢とか愛とか勇気とか友情とか、そんな照れくさい言葉が素直に胸にしみてくる、そういう舞台だった。

終演後、出演者の皆さんがすぐにロビーに出て、観客を見送ってくれていた。特にトキオを演じた三重野葵さんは、会場を出ようとする方のほとんど全員と握手をしていた。

歌やダンスで綴られる、動きの激しい舞台で主役を務めたばかりなのに、疲れた様子も見せず、にこやかに笑顔を浮かべて。そのサービス精神というか、プロ根性というか。

……そういうのに、弱いんだって(汗)

この後しばらくは関西と東北での公演が続くようだし、学校公演も多いようだけれど、次に関東で一般公開の公演があるのはいつだろう?

この舞台にこんなにハマるなんて、予想してなかったのに、まるでラブレターみたいな感想を書いてるのが、自分でもちょっと可笑しいです。
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by kiki_002 | 2010-07-14 00:21 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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