「国盗人」
作:河合祥一郎、演出:野村萬斎、
出演:野村萬斎、白石加代子、石田幸雄、大森博史、今井朋彦、山野史人、小美濃利明、月崎晴夫、じゅんじゅん、すがぽん他

6月30日、世田谷パブリックシアターにて観劇。
席は3階のセンター近く。

いやあ、楽しかったです。

そもそも「リチャード三世」なので、多くの人が死ぬ陰惨な物語という印象があるし、
そこに、狂言の台詞回しを取り入れているようだし、
正直、もっと地味な(というか重々しい)仕上がりを想像していた。

しかし、その予想は外れた。
前半はほとんど原作に近い流れで、複雑な人間関係がややわかりにくいながら、
原作にもある洒落などを活かし、随所に笑いを散りばめていた。

悪三郎=リチャードが、後に妻となる杏=アンを口説くシーンは、
主要な女性をすべてひとりで演じた白石加代子さんが、
悪三郎に、あなたの美しさゆえ、あなたを手に入れたくてあなたの夫を殺したと言われ、
憎しみから、とまどいへ変わっていく女心を初々しく演じていて印象的だった。

後半はと言えば、もう萬斎氏が、語り、歌い、舞い、舞台狭しと活躍していた。
(これ、ご自分で演出してるんだよなぁ~。マイク持って歌うって、あり?)
などと余計なこと心配をしつつも、
王座を手に入れて、喜びをあらわにする悪三郎に親しみを覚えたり、
客席を巻き込んだ演出を楽しんだり、
影法師や面を象徴として多用する表現にその意味を考えたり、
とにかく多彩な、飽きさせない舞台だった。

終盤、実の母にさえ疎まれ、殺してきた人々の亡霊に怯え、
一直線に破滅へと向かう悪三郎が、観ていてとても哀れに思えた。

全体を通して、演じ手の高い身体性が豊かな表現を可能にしている印象があった。

能舞台をモチーフにした舞台装置は、
メインとなる三間四方の本舞台にあたる部分の奥にもうひとつスペースがあったり、
橋掛リが四方に伸びていたり、
能舞台では演者が使うことのない舞台手前の階段などを活用するなど、
奥行きと広がりのある多彩な場面を表現し、とても興味深かった。
照明や音楽も一体となり、舞台上だけでなく劇場全体が芝居の一部になったように感じられた。

役者さんでは、
悪三郎と対決する理智門を演じた今井朋彦氏の正統派二枚目ぶりに驚いた。
(すいません。新撰組のときの徳川慶喜役とCMの印象が強かったので……)
う~ん、なんて端正ないい声!
他にも、悪三郎の兄善二郎や右大臣の役も演じていらしたが、
役によってそれぞれ雰囲気が違い、この方の芝居をもっと観てみたくなった。

もう一度、できれば今度は1階席で観てみたい、と思いながら劇場を出た。
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by kiki_002 | 2007-07-01 08:40 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
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Commented by 向日葵 at 2007-07-02 23:41 x
私も今週末観劇です。期待膨らみます!
Commented by kiki_002 at 2007-07-03 02:23
コメントありがとうございます!
芸達者な方のそろった舞台、楽しんできてください♪
だって、好きなんだもん!
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