1階席と3階席
「1万円以上もする高いチケット代払うより、B席でいいからたくさんの芝居が観たい」
と言う友人がいる。それはそれでよくわかる。

大きい劇場なら、最前列より1階後方や2階席の方が全体の動きや流れがよくわかるだろうし。

「国盗人」も最初は3階で観た。
舞台全体がよく見渡せ、人の動きや出入りもきちんとつかめた。

離れた席で観ると、客観的な見方になる。

舞台中央に置かれた面の意味とか、影法師の動きとか、舞台装置や照明の効果とか、
さまざまな面からその芝居を楽しむことができた。

けれど、その時の感想をブログに書いたとき、
『もう一度、できれば今度は1階席で観てみたい、と思いながら劇場を出た。』
という言葉で結んだ。

他の方の感想にも、似たようなことが書かれているのを見かけた。
客席を劇中の市民に見立てたシーンなどもあり、
自分ももっと近くにいて、その舞台の一部になりたいと思わせるのかもしれない。

次に観たときは、1階の前から2列目だった。
ステージをやや見上げる形になるため、人の動きなどは判りにくいところもある。
舞台装置なども、全体像がつかめない。

だが、なにしろ役者が近い。
似た衣装を着けていても誰が何を言っているかきちんと見分けられるし
それぞれの表情がよく見える。

そして、特にこの舞台では、主人公である悪三郎の独白がとても多いのだ。
それも客席に近い位置で語る。

身体が不自由な役で、少し前かがみな姿勢をとっているためか、
台詞のベクトルが下へ向かっているような印象があり、
1階の前方で観るとこちらに向かって語られているような気がする。

そのためだろうか、2度目に観たときは圧倒的に悪三郎への思い入れが強くなった。
遠くからひとつの物語を見るのではなく、
そこに生身の人間がいるということ、その喜びや恐れが生々しく感じられた。

舞台に近い席のよいところは、演じる側の息遣いが感じられることだ。
少々高くても、S席のチケットから売れていく舞台が多いのも判る気がする。
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by kiki_002 | 2007-07-12 07:01 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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