「狂言三人三様 野村萬斎の巻」
2007年 08月 02日
岩波書店から2003年8月に発行された、全三巻の「狂言三人三様」の中の一冊。
いきなり、「さぁ、あるべき場所に行こう!」と題された蜷川幸雄さんの文章から始まる。
蜷川さんから見た『オイディプス王』初演の際の萬斎さんの印象などを中心に書かれている。
これがすこぶる面白い。
「古典芸能の血」という言葉で蜷川さんが表現する萬斎さんの色っぽいこと。
稽古場で血糊を鏡に塗っていく彼の様子など、読んでいてクラクラしてしまう。
次の「萬斎独言」は、二人の聞き手による萬斎さんのインタビュー。
個人的にはこの部分が一番好きだ。
一人目の聞き手は山口宏子さん。
ここでは主として、彼の芸術論が語られる。
古典芸能とそれ以外の演劇。日本と世界。
その中で、自分に何ができるのか、何をやっていきたいのか。
これを読むと、昨日千秋楽を迎えた『国盗人』が彼にとってどういう意味を持っているのか、少しだけわかる気がする。
二人目の聞き手は、この本の編者でもある土屋恵一郎さん。
ここでは、聞き手である土屋氏の萬斎論を踏まえて、狂言師としての彼について語られていく。
坂東玉三郎さんなどを例にとりながら、彼がどういう狂言を目指しているのかなどについて、興味深い話が聞ける。
この本の帯に『美しく太郎冠者でありたい』とあるが、これはこのインタビューの内容からとっているのだろう。
それから、「狂言三人三様」として、茂山千作さん、野村万作さん、そして萬斎さんが、
狂言の主要な演目について、それぞれの印象や思い出などを語っている。
読んでいると、ここに出てくる演目がとても観たくなってくる。
最後は、「野村萬斎の世界」と題して、彼にゆかりのある多様なジャンルの方々が、
萬斎さんについて語っている。
それぞれが知っている彼の顔。そのどれもが魅力的だ。
これから、何度か繰り返して読むことになりそうな本だ。
いきなり、「さぁ、あるべき場所に行こう!」と題された蜷川幸雄さんの文章から始まる。
蜷川さんから見た『オイディプス王』初演の際の萬斎さんの印象などを中心に書かれている。
これがすこぶる面白い。
「古典芸能の血」という言葉で蜷川さんが表現する萬斎さんの色っぽいこと。
稽古場で血糊を鏡に塗っていく彼の様子など、読んでいてクラクラしてしまう。
次の「萬斎独言」は、二人の聞き手による萬斎さんのインタビュー。
個人的にはこの部分が一番好きだ。
一人目の聞き手は山口宏子さん。
ここでは主として、彼の芸術論が語られる。
古典芸能とそれ以外の演劇。日本と世界。
その中で、自分に何ができるのか、何をやっていきたいのか。
これを読むと、昨日千秋楽を迎えた『国盗人』が彼にとってどういう意味を持っているのか、少しだけわかる気がする。
二人目の聞き手は、この本の編者でもある土屋恵一郎さん。
ここでは、聞き手である土屋氏の萬斎論を踏まえて、狂言師としての彼について語られていく。
坂東玉三郎さんなどを例にとりながら、彼がどういう狂言を目指しているのかなどについて、興味深い話が聞ける。
この本の帯に『美しく太郎冠者でありたい』とあるが、これはこのインタビューの内容からとっているのだろう。
それから、「狂言三人三様」として、茂山千作さん、野村万作さん、そして萬斎さんが、
狂言の主要な演目について、それぞれの印象や思い出などを語っている。
読んでいると、ここに出てくる演目がとても観たくなってくる。
最後は、「野村萬斎の世界」と題して、彼にゆかりのある多様なジャンルの方々が、
萬斎さんについて語っている。
それぞれが知っている彼の顔。そのどれもが魅力的だ。
これから、何度か繰り返して読むことになりそうな本だ。
by kiki_002
| 2007-08-02 23:44
| 本