北村鴻 著「蛍坂」
三軒茶屋にあるビア・バー「香菜里屋」を舞台とした、推理物の短編連作シリーズ3冊目。

このビアバーの主人である工藤は、季節感のあるおいしそうな料理と気配りの行き届いた接客でこの店を切り回すだけでなく、不思議な洞察力で数々の謎を解いていく。

シリーズ1冊目は「花の下にて春死なむ」。そのタイトルに惹かれて読み始めたが、3冊目ともなると、店を訪れる常連客たちとも馴染みとなり、読んでいる方もこの心地よい店の雰囲気にすっかりくつろげるようになっている。

そもそも、推理小説には短編連作という手法がよく合う。謎の提示と解決が、テンポよく描かれて、読む者を飽きさせない。

この本には、表題作の「蛍坂」を始め5つの短編がおさめられているが、個人的には凝った構成とハッピーなエンディングの「相貌」が特に気に入っている。

事件というよりも人の思いを読み解いていくのがこのシリーズの特徴だろう。しんみりしたもの、微笑ましいもの、どれも少し優しい気持ちになるような話となっている。
[PR]
by kiki_002 | 2007-10-14 22:58 | | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://kiki002.exblog.jp/tb/6577034
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
だって、好きなんだもん!
by kiki
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6 7
8 9 10 11 12 13 14
15 16 17 18 19 20 21
22 23 24 25 26 27 28
29 30 31
ブログパーツ
検索
画像一覧