『火星が出てゐる』
2007年 10月 22日
だんだん寒くなってくるこの季節、手に取りたくなる一冊の詩集がある。中央公論社から出ている「日本の詩歌10 高村光太郎」だ。この本は、もうずいぶん長いこと手元から離せずにいる。
光太郎は冬が好きだという。厳しい寒さと乾燥した清潔な空気、その風情が彼の書くものとよく似合っている。
たとえばこの『火星が出てゐる』という詩。
「要するにどうすればいいか、といふ問は、/折角たどつた思索の道を初にかへす。/要するにどうでもいいのか。/否、否、無限大に否。」
父との確執。芸術上の悩み。堂々巡りのような思索の迷路。ようするにどうすればいいか……。そんな問いに急ぐ自分の弱さと決別し、木枯らしの吹く寒い夜、頭上の赤い星を見上げる。そのとき、彼の決意はどこへ向かうのだろう。
私も、何かに行き詰るとき、いつも胸の中で繰り返す。「要するにどうでもいいのか。/否、否、無限大に否。」と。
どんなに遅い歩みでも、不毛のように思えても、目的地が見えなくてもいい。ただ歩き続けるための勇気さえあれば、前に進むことができるはずだ。
光太郎は冬が好きだという。厳しい寒さと乾燥した清潔な空気、その風情が彼の書くものとよく似合っている。
たとえばこの『火星が出てゐる』という詩。
「要するにどうすればいいか、といふ問は、/折角たどつた思索の道を初にかへす。/要するにどうでもいいのか。/否、否、無限大に否。」
父との確執。芸術上の悩み。堂々巡りのような思索の迷路。ようするにどうすればいいか……。そんな問いに急ぐ自分の弱さと決別し、木枯らしの吹く寒い夜、頭上の赤い星を見上げる。そのとき、彼の決意はどこへ向かうのだろう。
私も、何かに行き詰るとき、いつも胸の中で繰り返す。「要するにどうでもいいのか。/否、否、無限大に否。」と。
どんなに遅い歩みでも、不毛のように思えても、目的地が見えなくてもいい。ただ歩き続けるための勇気さえあれば、前に進むことができるはずだ。
by kiki_002
| 2007-10-22 22:22
| 本