舞台芸術としての狂言 『狂言劇場 その四』
3月29日(土)14時~、世田谷パブリックシアターにて。

狂言「盆山」
男:野村萬斎、何某:野村万之介
後見:中村修一

能楽囃子
大鼓:原岡一之、小鼓:古河裕己、太鼓:大川典良、笛:一噌幸弘

狂言「唐人相撲」
皇帝:野村万作、相撲取り:野村萬斎、通辞:石田幸雄
<上手>
楽人:竹山悠樹、牧嶋平、山際洋一、
武官:月崎晴夫、花田孝文、島田悠作、山岡達也、津田正広
側近:時田光洋、深田博治
唐子:多和田智大、野村裕基
文官:衣川佳克、関橋英作、小林安守
<下手>
楽人:高野和憲、田口恵介、千島淳平
武官:宇貫貴雄、寺尾翼、渡部直也、入月謙一、板谷隆次、平原テツ
側近:鎮西猛、徳山裕憲
唐子:高橋秀顕
文官:高橋脩允、梶川武雄、小美濃利明
髭掻:野村万之介
後見:岡聡史、石田淡郎、中村修一

いやあ、これは行ってよかった!!
年度末だし、土日出勤の可能性もあると思ってチケットを確保しておかなかったのだけれど、
どうやらご縁があったらしく、間近になって行けることになった。

AとBの2つのプログラムがあって、Aは「子盗人」、Bは「盆山」で始まる。
続く能楽囃子から、休憩を挟んで、今回のメイン「唐人相撲」へ。

観たのはBプログラムの日だったので、まずは「盆山」から。

この曲は、以前万之介さんと野村遼太郎くんの組み合わせで観たことがある。
ある男が、流行の盆山をたくさん持っている何某にねだったが、くれないのでこっそり盗りに行ってしまう。裏から忍び込むが、何某に見つかり、からかわれる話。

忍び込むときの擬音(メリメリメリとか)、犬や猿の鳴きマネをしたりとか、シンプルな笑いでわかりやすい。最後の鯛の鳴き声にいたっては、もう文句なく可笑しい。

打って変わって能楽囃子では、まず笛をじっくり聴かせてくれる。それから鼓や太鼓が入ってくる。こうしていると、伝統芸能への予備知識がなくても、聴いていて気持ちがいい音楽だと思える。

そして「唐人相撲」。

今回、2階席だったのだが、おかげで舞台全体がその奥行きを活かした演出までよく観ることができた。

左右と奥へ伸びる3本の橋掛かり。その奥に横たわる、もうひとつの舞台。そこに降ろされたホリゾントに、皇帝の御幸の行列がシルエットで現れる。その華やかで長い行列が進んで行く様子は、不思議にどこか懐かしく印象的な場面だった。

このとき、ある種の感動を覚えた、と言っても大仰だと笑わないで欲しい。先日観た「身毒丸」の地底のシーン同様、意味とかストーリーを超えて印象に残るシーンがそこにあった。

で、話の内容はというと、中国に渡り皇帝に仕えていた日本の相撲取りが故郷に帰りたくなって皇帝に暇乞いを申し出たところ、帰る前にもう一度相撲をとって見せるように言われる。皇帝の家来が次々に相撲取りに立ち向かうが、まったく敵わず、ついには皇帝自らが、立ち会うと言い出して……。

と、ストーリーそのものはいたってシンプル。長さの割りにセリフも多くない。

面白いのは、それぞれの立ち合いの動きの面白さ。次から次へと繰り広げられる取り組みは、なんとなく漫画的で少しナンセンス。誰が見ても可笑しいし、何も考えないでただ笑える。

それと、中国語の発音を真似ながらしゃべる唐音という偽中国語。ときどき日本語が混ざってみたり、雰囲気で何を言っているのかわかったり。通詞(通訳)を演じる石田さんに何度も笑わせられた。

この「唐人相撲」を観た後に、能楽囃子で感じたのとよく似たことを思った。

この舞台は、伝統芸能としての狂言について何も知らない例えば外国の方が見ても、ひとつの演劇として、面白いと感じることができるものだということ。舞台芸術としての狂言、というサブタイトルの意味がよく分かった気がする。
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by kiki_002 | 2008-03-30 22:40 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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