こしがや能を見る会「吉野天人」
2008年 04月 05日
4月5日14:30~、こしがや能楽堂にて。
こしがや能を見る会「様々の舞」シリーズ1 梢に舞ひ遊び~中之舞~
おはなし/関根祥人
仕舞「淡路」 関根祥丸
地謡:渡辺洋子、浅見重好、関根祥人、清水義也
狂言「鎌腹」
男:三宅右矩、妻:高澤祐介、仲裁人:三宅近成
仕舞
「田村」キリ 藤波重孝
「雲林院」クセ 関根祥六
「鞍馬天狗」 浅見重好
地謡:関根祥丸、藤波時昭、高梨良一、岡庭祥大
-休憩15分-
能「吉野天人/天人揃」
前シテ・里女、後シテ・天人:関根知孝
ツレ・天人:高梨万里、岡庭祥大、渡辺洋子、古橋美香、関根はな恵
ワキ・都人:村瀬慧
アイ・里人:三宅近成
大鼓:佃良勝、小鼓:観世新九郎、太鼓:大川典良、笛:内潟慶三
後見:清水義也、関根祥人
地謡:峯村あい子、岩下定寛、藤波時昭、藤波重孝、関根祥六、高梨良一
こしがや能楽堂で行われる「こしがや能を見る会」、今年のテーマは『様々の舞』だそうだ。4回予定されているうち1回目の今日は、能「吉野天人」をメインに狂言「鎌腹」と仕舞が数番。
この能楽堂は、「花田苑」という日本庭園の一角にある。今日は特に桜が満開で、なんとも風情のある場所だ。会の始まる前に、この庭園の池のほとりでお弁当を広げて食べたりした。
その後、能楽堂に入り、中庭見所に陣取る。陽が当たるのが難点だが、能舞台の正面のいい場所だ。
最初の「おはなし」がまず面白かった。今日の演目は、季節に合わせて桜にちなんだものを集めたということ。
そして能の動きには、「所作」と「舞」があるが、今回は「舞」に焦点をあわせた編成だそうだ。舞いにもいくつか種類があるが、今日は「吉野天人」で「中之舞」を見ていただく、とのこと。
能の動きは役が変わっても、基本は変わらない。その同じ動きの中で、役によって違いを出すのだということをその場で実演してくださった。神々として、武士として、貴人としてなどなど。その実演がなんともいえず美しい。同じ動きでも役によって間違いなく空気が変わる。思わず感動した。
そして、仕舞「淡路」。若い演者による力強い舞。
その余韻の残る中、にぎやかに狂言が始まる。鎌を持った女が男を追い立ててくる。山へ仕事をしに行かない夫に腹を立てているのだ。仲介人が女から鎌を取り上げると、今度は男が、その鎌で腹を切ると言い出す。仲介人が止めようとするが、女は放っておけと、仲介人を連れて去ってしまう。引っ込みがつかなくなった男が、なんとか腹を切ろうと……。
次に仕舞が三番。すべて桜にちなんだもの。力強い「田村」と「鞍馬天狗」。しっとりした「雲林院」。どれも見応えがあった。
最後に「吉野天人」。天人揃の小書がついて、シテの他に5人の天人が登場する。もう、なんといっても今回は、この6人の天人が舞うシーンが圧巻だった。
この辺りで日が傾き始め、夕刻のやわらかい日差しの中、風が吹き、隣の公園から桜の花びらが1枚、2枚と舞台に舞い散ってくる。天人たちの色鮮やかな衣の袖が、風にあおられてはためく。舞台と周囲の雰囲気とがひとつになって、なんともいえず美しいものを観たなぁ~~、という気持ちにさせられた。
こしがや能を見る会「様々の舞」シリーズ1 梢に舞ひ遊び~中之舞~
おはなし/関根祥人
仕舞「淡路」 関根祥丸
地謡:渡辺洋子、浅見重好、関根祥人、清水義也
狂言「鎌腹」
男:三宅右矩、妻:高澤祐介、仲裁人:三宅近成
仕舞
「田村」キリ 藤波重孝
「雲林院」クセ 関根祥六
「鞍馬天狗」 浅見重好
地謡:関根祥丸、藤波時昭、高梨良一、岡庭祥大
-休憩15分-
能「吉野天人/天人揃」
前シテ・里女、後シテ・天人:関根知孝
ツレ・天人:高梨万里、岡庭祥大、渡辺洋子、古橋美香、関根はな恵
ワキ・都人:村瀬慧
アイ・里人:三宅近成
大鼓:佃良勝、小鼓:観世新九郎、太鼓:大川典良、笛:内潟慶三
後見:清水義也、関根祥人
地謡:峯村あい子、岩下定寛、藤波時昭、藤波重孝、関根祥六、高梨良一
こしがや能楽堂で行われる「こしがや能を見る会」、今年のテーマは『様々の舞』だそうだ。4回予定されているうち1回目の今日は、能「吉野天人」をメインに狂言「鎌腹」と仕舞が数番。
この能楽堂は、「花田苑」という日本庭園の一角にある。今日は特に桜が満開で、なんとも風情のある場所だ。会の始まる前に、この庭園の池のほとりでお弁当を広げて食べたりした。
その後、能楽堂に入り、中庭見所に陣取る。陽が当たるのが難点だが、能舞台の正面のいい場所だ。
最初の「おはなし」がまず面白かった。今日の演目は、季節に合わせて桜にちなんだものを集めたということ。
そして能の動きには、「所作」と「舞」があるが、今回は「舞」に焦点をあわせた編成だそうだ。舞いにもいくつか種類があるが、今日は「吉野天人」で「中之舞」を見ていただく、とのこと。
能の動きは役が変わっても、基本は変わらない。その同じ動きの中で、役によって違いを出すのだということをその場で実演してくださった。神々として、武士として、貴人としてなどなど。その実演がなんともいえず美しい。同じ動きでも役によって間違いなく空気が変わる。思わず感動した。
そして、仕舞「淡路」。若い演者による力強い舞。
その余韻の残る中、にぎやかに狂言が始まる。鎌を持った女が男を追い立ててくる。山へ仕事をしに行かない夫に腹を立てているのだ。仲介人が女から鎌を取り上げると、今度は男が、その鎌で腹を切ると言い出す。仲介人が止めようとするが、女は放っておけと、仲介人を連れて去ってしまう。引っ込みがつかなくなった男が、なんとか腹を切ろうと……。
次に仕舞が三番。すべて桜にちなんだもの。力強い「田村」と「鞍馬天狗」。しっとりした「雲林院」。どれも見応えがあった。
最後に「吉野天人」。天人揃の小書がついて、シテの他に5人の天人が登場する。もう、なんといっても今回は、この6人の天人が舞うシーンが圧巻だった。
この辺りで日が傾き始め、夕刻のやわらかい日差しの中、風が吹き、隣の公園から桜の花びらが1枚、2枚と舞台に舞い散ってくる。天人たちの色鮮やかな衣の袖が、風にあおられてはためく。舞台と周囲の雰囲気とがひとつになって、なんともいえず美しいものを観たなぁ~~、という気持ちにさせられた。
by kiki_002
| 2008-04-05 23:03
| 舞台