「わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-」
平成20年5月4日、19:00~。Bunkamuraシアターコクーンにて。
「わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-」

ここ数日、同じような話題が続いて申し訳ない。でも今日は、書かないわけにはいかない。なにしろ数ヶ月前から楽しみにしていた舞台が、とうとう初日を迎えたのだから。

作/清水邦夫
演出/蜷川幸雄

出 演/斎藤実盛:野村萬斎、斎藤五郎:尾上菊之助
斎藤六郎:坂東亀三郎、時丸:川岡大次郎
藤原権頭:津嘉山正種
平維盛:長谷川博己、浜風:神保共子、城貞康:二反田雅澄
巴:秋山菜津子、中原兼平:大石継太、中原兼光:廣田高志
ふぶき:邑野みあ、黒玄坊:大富士

       ※    ※    ※

観始めて最初に感じたこと。それは、舞台に風が吹いている、ということだった。亡霊である五郎の衣装をやわらかく揺らし、花を揺らし、木々を揺らして、風が吹いていく。

風は舞台の上だけでなく、物語の中でもしだいに強く吹き始め、人々の運命を、そして時代の流れを、動かしていく様に見えてくる。

風に逆らって自分の意思で歩いて行こうとする者も、風を生かして、うまく立ち回ろうとする者も、結局は大きな流れに押し流されていくのだろうか。

キャストでは、まず亡霊役の菊之助さんが美しい。声も姿も、すでに人ではないものの涼やかな美しさを充分にたたえている。

また、秋山菜津子さん演じる巴の、集団を率いるその情熱と、女であることの激しさ、そして夢や狂気と現実との境界があいまいになっていく様子が印象的だった。特に、鮮やかな夕焼けの中、海を見下ろす断崖での場面は圧巻。

休憩時間に、『主役は六郎?』と話す声も聞こえたほど、前半から中盤にかけて野心家の六郎が物語の動きをつくっていく。その六郎を亀三郎さんが安定感のある演技でしっかりと演じていた。

しかし、五郎の言葉も六郎の行動も、父である実盛との関係を抜きにしては語れない。慕うにしろ反発するにしろ、父の影響の大きさを感じさせる。

その父、老境の実盛を演じる萬斎さん。老いの中にも瑞々しい心情を感じさせる演技。そして、彼にしか見えない息子の亡霊と交わす、親しみのこもったユーモアを感じさせる会話。楽しみにしていた甲斐があった、と思う。

いろいろなことを考えさせられたこの舞台、それでも今日はまだ初日。私自身、あと何回か観に行くことになっている。これからまた、観るたびにそのときの感想や考えさせられたことなどを少しずつ書いていけたら、と思う。
[PR]
by kiki_002 | 2008-05-04 23:54 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
トラックバックURL : http://kiki002.exblog.jp/tb/7998289
トラックバックする(会員専用) [ヘルプ]
※このブログはトラックバック承認制を適用しています。 ブログの持ち主が承認するまでトラックバックは表示されません。
だって、好きなんだもん!
by kiki
プロフィールを見る
画像一覧
S M T W T F S
1 2 3 4 5 6
7 8 9 10 11 12 13
14 15 16 17 18 19 20
21 22 23 24 25 26 27
28 29 30 31
ブログパーツ
検索