「わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-」3回目
平成20年5月25日(日)、14:00~。Bunkamuraシアターコクーンにて。
3度目となる「わが魂は輝く水なり-源平北越流誌-」を観た。

仕舞の稽古を途中で失礼して、シアターコクーンへ向かう。どう考えてもギリギリだ。

会場に着いたとたん、開幕のベルが鳴った。今日は2階席。階段を駆け上がると、係の方がそっとドアを開けてくれる。客席の後ろに立って、ちょうど始まったばかりの菊之助さんの独白を聞いた。相変わらず良く通る美しい声だ。

場面の転換時に、席に案内される。周囲の方には申し訳なかったが、通路際の席だったので、比較的スムーズに席に着けたのは幸いだった。

2階から観ると、舞台の奥行きの深さがよくわかる。1階席と比べると、距離よりも角度の違いを感じる。

2回、3回と回を重ねるうちに、どんどん巴に感情移入していくような気がする。彼女の孤独と情熱と。……そして、狂気と。

「夢が醒め、現つと思うもまた夢の夢、この巴、昨日からこの世をば夢と現つのはざまと見たて、屈託なく華やかに生きることに決めました。」そう言って、晴れやかに笑いながら走り去る巴。残された兼光と兼平には、いっそう深い絶望と狂気。

ラストシーン。実盛が五郎に向かって言う。「出来うれば、死の瞬間まで平凡に、淫らに、つつましやかに、そして激しく……」その言葉どおりに生きた実盛の声が、森に吸い込まれていく。

汗で落ちた実盛の白粉を五郎が直し、紅をさした後、水面に映る実盛の顔を観て、笑う2人。水の音を聴き、そのまま眠りに落ちる実盛。以前観たときには、実盛が眠っているのか、すでに死を迎えたのか、どちらだろうと考えたものだが、今回は2階から観ても明らかに呼吸をしていた。

カーテンコールが始まり、萬斎さんは軽やかに飛ぶように舞台中央へ。いつもと同様、胸に手を当て片足を引いた優美なお辞儀。鳴り止まない拍手に、とうとう4回目のカーテンコール。多くの方が立ち上がって、拍手を続けていた。

この美しい舞台も明日が千秋楽。それが過ぎると、あの森にはもう戻れないのだ。いまから寂しい気がする。
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by kiki_002 | 2008-05-26 23:48 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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