ハイリンド第6回公演「proof」
平成20年2008年6月1日(日)16:30~ 、小劇場 楽園にて。

作/デイヴィッド・オーバーン

翻訳/小田島恒志

演出/松本永実子(演劇企画 JOKO)

出演/ロバート:多根周作、キャサリン:はざまみゆき、ハル:伊原農、クレア:枝元萌

5月は結局、「わが魂……」にどっぷりハマってしまい、他の芝居を観ようと思う余裕すらなかったが、その千秋楽からわずか数日後、久しぶりに違うタイプの芝居を観に行った。

昨年8月の第4回公演「幽霊はここにいる」、今年2月~3月の第5回公演「もやしの唄」とこのところ続けて観ているこの「ハイリンド」の舞台。

でも、今日は第1日曜日。仕舞のお稽古がある。先週と同様、お稽古から観劇へという欲張りコース。ただし今日は16:30開演なので、時間に余裕がある。お稽古仲間とお昼を食べた後、下北沢へ向かう。

初めての劇場だけれど、本多劇場と同じ建物の中らしいので、迷子になることもないだろう。……といっても油断は出来ない。方向音痴としての実績がたくさんあるのだし。

いや、大丈夫だった。ちゃんと場所を確認し、時間に余裕があったので少し商店街をうろついてから劇場へ。L字型のステージ。2方向に客席があって、少しだけ能舞台を思わせる。

セットは洋風の家の外壁。ドアと窓がある。そして椅子とテーブルと。家のテラス、なのだろうか。ステージ上だけでなく、客席の上の梁にも仕掛けがある。たくさんの紙、新しそうなもの、古くなって黄ばんでいるものがビッシリと張ってある。英語の文章かな?と思ったら、どの紙にも数式らしきものが書き込んであった。

天才数学者だった父。精神を病み、次女のキャサリンがずっと面倒を見ていたのだが、その父が死んだ。

父に似て、才能豊かな、しかし精神的に不安定かもしれないキャサリンを繊細に演じていたはざまみゆきさん。不安も自負もあまりにも自然で、ホントに役にぴったりだった。

父の残した膨大なノートを読むために通って来る父の昔の教え子ハル。数学者としての野心や焦り。キャサリンとの間の不器用な恋。強さも弱さも併せ持った普通の男を、伊原さんがなんともチャーミングに演じていた。

キャサリンの姉クレアを演じる枝元さん!前回公演のザ・日本のお母さんという役の雰囲気から打って変わって、12キロのダイエットの効果も目覚しく、恋人もいて仕事もバリバリな、ニューヨークのキャリアウーマンを好演していた。

そして、死んだはずの父ロバートを演じる多根さん。死後、愛娘キャサリンと話す愛情のこもった様子。ストーリーの要となる、冬の夜の回想シーン。天賦の才の発露なのか、狂気の再発なのか。それを確かめようと息をひそめて観客が見つめる中、見せる表情の絶妙なこと。

父と娘。姉と妹。男と女。さまざまな思いのひだを丁寧に見せてくれる、しみじみとした舞台だった。

観るたびになんだかこの劇団に愛着を感じていくような気がする。次回公演は少し先になりそうだが、できたらまた観に行きたいと思っている。
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by kiki_002 | 2008-06-01 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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