グイン・サーガ第121巻「サイロンの光と影」
著者:栗本薫
出版社: 早川書房(ハヤカワ文庫)
発売日: 2008/06/06

タイトルどおり、久しぶりに帰還した王を迎えたサイロン市民の輝くような歓喜と、グインのただひとつの弱点ともいえる妻のシルヴィアの不幸な状況。

とうとう『故郷』であるケイロニアへ帰ろうとするグイン。その旅路での、ハゾスをはじめとするケイロニアの人々が見せる素朴な喜びと飾らないグインへの愛情は、読んでいて胸が熱くなるほどだ。

ケイロニアへ着いてからも、グインの顔を見て気力を取り戻す皇帝や、喜びに沸く市民など、この国の明るい未来を感じさせるものばかりだ。ただひとつ、グインの妻、シルヴィアのことを除けば。

ハゾスが嫌悪するほどは、シルヴィアのことを悪くは思えない。むしろ哀れに思う気持ちの方が強い。シルヴィアの状況は、これまでの経緯から予測できるはずのものではあったのだが、どうしてこの人はこんなに弱いのだろう、と思わずにはいられない。そしてその弱さゆえに彼女を愛し続けるグイン。

相思相愛のはずなのに、けっして幸せになれそうもない二人が哀れに思える。

それにしても、スーティやドリアン、マリニアなど、主要人物の子どもたちも登場し始めて、ますます物語は広がって行くように思える。

まあ、この子たちが活躍するのはまだちょっと先だろうけれど、今回登場したハゾスの息子リヌスやアンテーヌ候の息子アウルス・アランなどは、もうすぐにでもいろいろと活躍できそうだ。

この長い物語がどこまでも続くよう、祈らずにはいられない。
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by kiki_002 | 2008-06-12 23:55 | | Trackback | Comments(0)
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