歌舞伎座百二十年『七月大歌舞伎』夜の部「夜叉ヶ池/高野聖」
平成20年7月18日(金)17:00~、歌舞伎座にて。

一、夜叉ヶ池(やしゃがいけ)
出演/百合:春猿、白雪姫:笑三郎、萩原晃:段治郎、穴隈鉱蔵:薪車
畑上嘉伝次:寿猿、黒和尚鯰入:猿弥、万年姥:吉弥、
山沢学円:市川右近

二、高野聖(こうやひじり)
出演/女:玉三郎、宗朝:海老蔵、薬売:市蔵、次郎:尾上右近
猟師:男女蔵、百姓:右之助、親仁:歌六

「夜叉ヶ池」という芝居、以前に一度観たことがある。そのときは歌舞伎ではなく、東京グローブ座で、百合を松本莉緒さん、萩原晃を佐藤アツヒロさん、学円を岡本健一さんが、そして夜叉ヶ池の主である白雪姫を加納幸和さんが、それぞれ演じていた。そして、白雪姫の眷属である夜叉ヶ池の住人たちは、花組芝居の役者さんたちだった。

百合は初々しく、晃や学円は凛々しかったが、一番印象に残っていたのは、白雪姫率いる妖しのものたちが跋扈するラストシーンの祝祭めいた華やかさだった。

今回は、百合を春猿さんが玉三郎さんゆずりの繊細な美しさで演じていた。

村の人々の理不尽な要求に、悲劇を迎える若き恋人たちの物語と、恋に身を焦がす白雪姫とその愛嬌のある眷属たちの物語が、表裏をなす形で進んでいく。

白雪姫をとりまく鯉やカニたち眷族のやり取りがとても楽しかった。

「高野聖」が始まって、少し経ったとき、係員が足元の荷物を寄せるように指示しに来た。座っていたのは1階後方通路のすぐ後ろ。もしや?と思っていると、玉三郎さんが演じる女が、海老蔵さんの演じる僧侶を谷川へ案内する場面で、舞台から降り、客席通路を歩き始めた。

思いもかけず近くで拝見した玉三郎さんは、うっとりするくらいお美しゅうございました。(←言葉遣いがおかしくなってるし……)

谷川の渕で水を浴びる僧を女があからさまに誘惑する場面で、なんとなく笑いが起こる。いや、滑稽なわけではないのだが、恥らいつつも男に擦り寄っていく女の様子が、なんとなく微笑ましく見えたからだろうか。

女の住む孤家に一夜の宿を借り、翌朝旅立った僧の前に、女のところで会った老人が現れて、女の素性を語る。10分以上もあろうこの長い話の間、身じろぎもせずにじっと立って聞いている海老蔵さんの姿が、凛としてとても印象的だった。テレビではわからなかったが、なんとも姿のいい方だ。

女の亭主で、病のため子どものように振舞う次郎を演じた尾上右近さんは、無邪気な様子と素朴な歌で哀れを誘った。この方、まだなんと高校一年生だという。これだから、伝統芸能の人というのは油断がならない。

それにしてもこの2つの演目を観て、これも歌舞伎なんだなぁ、とちょっと驚いた。「夜叉ヶ池」でいえば、当然元の戯曲は同じなので、以前観た別の「夜叉ヶ池」とセリフは同じなのだが。
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by kiki_002 | 2008-07-20 23:52 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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