柿喰う客 第14回公演『真説・多い日も安心』
平成20年8月29日(金)19:30~、吉祥寺シアターにて。

作・演出/中屋敷法仁

出演/高木エルム、七味まゆ味、玉置玲央、半澤敦史、深谷由梨香
(以上、柿喰う客)

村上誠基、石橋宙男、伊藤淳二、浅見臣樹、石黒淳士、佐野 功
高橋戦車、花戸祐介、舞香、矢鋪あい、大石 憲、伊佐美由紀
野田裕貴、八木菜々花、川村紗也、今永大樹、村上俊哉
迫 律聖、野上真友美、永島敬三、加藤 諒、丸山紘毅

佐藤みゆき(こゆび侍)、中林 舞(快快)、須貝 英(箱庭円舞曲)
松本隆志(Mrs.fictions)、小川貴大(ハイベビ)
色城絶(エビビモpro.)、出来本泰史(劇団SevenStars)
浅利ねこ(劇団銀石)、斉藤マッチュ(劇団銀石)
佐野木雄太(劇団銀石)、武藤心平(7%竹)

前回公演の「俺を縛れ!」あたりから、すっかり病みつきになったこの「柿喰う客」。この公演も指折り数えて観に行くのを楽しみにしていた。

会場は吉祥寺シアター。初めて行く劇場だけれど、駅からの道順もわかりやすく、建物もキレイで、客席の傾斜も観やすく、なかなかの好印象。

受付には、劇団マスコットめこちゃんルックでおなじみの制作、田中沙織さん。はにかんだような笑顔がいつもチャーミングだ。この前ご出演された「ボクコネ」でも可愛かったなぁ。

とはいえ、開演間際に駆け込んだので、田中さんに話しかけてみる余裕もなく自分の席を探す。ややサイドながら、間際に予約した割にはけっこう前方の席でうれしい。

舞台のセットがなんともカッコいい。

緊迫した雰囲気のオープニング。七味まゆ味さんの畳み掛けるようなセリフが、緊張感を高めていく。

そして本編はいきなり戦いの場面から始まる。王冠らしきものをかぶった男たちが追い立てられる、ゆるい戦闘シーン。ある国が、大陸を統一しつつあるのだ。1人のAV女優が人々を魅了し、その下に集まった人々が彼女の作品をリリースし続けることで、国を治めていこうとしている。このヒロインを演じる深谷由梨香さん。綺麗で、貪欲で、留まることを知らない勢いがある、そんな役を体当たりで演じていた。体当たりで、なんていう使い古されたフレーズが、これほどピッタリに感じられたのは初めてだ。

それにしても、ソフト秦デマンドの始皇帝って、さぁ……。ま、いいけど。歴史的な枠組みがありそうに見せて、実は、時事ネタ、下ネタ、パロディの嵐で、これまで観た柿喰う客の作品の中で、一番くだらない。もちろんこの劇団にとって、くだらないというのは褒め言葉だが(?)。

終盤の玉置さんと佐野さんのアクションは見応えがある。動きに切れとスピードがあって、見ていてとてもキレイだった。

やはりその後に歌。前作では、皆さん上手な方が歌っていたが、今回はそうではなかった。これも狙いなのかもしれない。出演者の表にお名前のなかった主宰で作・演出の中屋敷さんが、なんとなくうれしそうにマイク係をしていたのが面白かった。

さすがに慣れてきたので、登場人物たちの目指す方向性と後半のもっともらしいメッセージ(今回で言えば女性性について)がこの芝居の中心だとかメッセージだなんて思わない。けっこうこの作者は、油断のならない人物だという気がする。

そして、ラストでのオープニングへの回帰。これが何を意味するのか、本編とどう関係しているのか、そんな深読みする必要も感じない。そこに意味があるとしても、それを考えることは、この芝居にとって重要ではないように思えるから。ただ、それぞれの役者の動きと声と関係性と、それらが積み上げられて立ち上がってくる構造が、カッコよく見えればそれでいい、そういう潔い芝居に感じられる。

言葉で語るメッセージなどただのアイテムに過ぎない。ただ、目の前で走り続ける生身の役者から伝わる熱だけが、ここで大切なものなのだという気がした。
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by kiki_002 | 2008-08-30 23:56 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
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