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しゅうくりー夢Vol.48 『異説 卒塔婆丸綺談』
平成22年1月30日(土)14:00~、18:00~、恵比寿・エコー劇場にて。

作・演出/松田 環

出演/
とら:中村誠治郎、たつ:島田朋尚
伊織:宮田彩子、真乃:桃瀬ツカサ

潮路:松田 環、忠治:原 丈二、帆平:松澤太陽(テアトル・エコー)
勇太郎:平山佳延、日向:吉田玲奈、鹿子:中村知世

入江惣三郎:鈴木優介
設楽慶康:各務立基(花組芝居)、
保科京之介:中村英司(Z団)、大賀籐兵衛:ワダ・タワー(クロカミショウネン18)

才谷梅太郎:横井伸明

さて、おなじみのしゅうくりー夢、それも過去の人気作品の再演で、個人的には鉄板のはず。その上、多彩で豪華な客演陣、オリジナルの衣装や音楽、などなど楽しみな要素がたくさん。それなのに、実はやや複雑な部分もあって。

初演で、劇団員さんたちや常連の客演の方たちでつくられていた当時のしゅうくりー夢らしい世界観を、若くて美男美女揃いの客演陣が演じることに、少しばかり不安を感じたり。

でも。そんな馬鹿げたこだわりはやはり杞憂だったようだ。

幕末。漁師たちが恐れる、噂の海賊船 卒塔婆丸。荒くれた海賊たちの中に、とらとたつという2人の若者がいた。

この2人と島の海賊仲間、政略結婚から逃げ出したお姫様とその侍女、そして島に流れ着いた奇妙な男 才谷梅太郎などの交流。

姫君の結婚相手のお家の家老やその部下のサムライたちの企み。そこに加わった浪士あがりの入江惣三郎という男。

島の面々もサムライたちも、それぞれの見せ場があり、その人物の思いや過去があり、それが物語に奥行きを与えている。

主人公のとらとたつは、ルックスも端整だし動きもキレイで、2人が舞台に立つととても絵になる。

ヒロイン2人は、個性の違いが明確で、それぞれいじらしく可愛らしい。

部下たちとの関係に悩む潮路姐さんをはじめとする島の衆は、対立やそれぞれの思惑も抱えながら、一蓮托生の絆を感じさせたり。中でも、若いお頭 勇太郎を演じる平山佳延さんが、情けなくて頼りない若者をチャーミングに、そしてどこか芯は1本通っていると思わせる感じに演じていて好印象だった。

サムライたちも、各務立基さん演じるいかにも腹黒そうな(?)家老 設楽が実はかつて姫君の母に恋していた…なんていう過去があったり、堅物の大賀、飄々とした保科、怪しげな浪士上がりの入江など、それぞれ個性的で。特に中村英司さんの演じた保科は難しい役だと思うが、きちんと説得力があった。また、入江の狂気をはらんだ目つきを鈴木優介さんが凄味と色気のある演技で見せてくれて印象的。

そして、謎の男 才谷梅太郎。スケールが大きくてしかも可愛げのあるこの役を横井さんがやると、しゅうくりー夢ファンならわかってもらえると思うけど、もう反則だと言いたいくらい、バッチリ決まっていて。

初演のイメージより華やかでスピーディに感じられたけれど、カッコいいだけでなく、人を思う気持ちやその切なさを描き、この劇団らしい作品となっていたように思う。

殺陣もたっぷり、恋愛も、陰謀も、幕末の歴史も、友情も、笑いも、涙もあって、見応え十分なのに、あっという間の2時間20分。2月7日まで上演中なので、気になった方はぜひご覧になってみていただきたい。きっと後悔しないと思います。
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by kiki_002 | 2010-01-31 23:49 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
行ってきました♪
劇団しゅうくりー夢の「異説 卒塔婆丸綺談」を、ようやく観に行くことができた。

木曜日の初日から、いやチケットを申し込んでから、いやいや前回公演が終わってからずっと(?)楽しみにしていた。

今回は、25周年記念公演だったり、初のプロデュース公演だったり、多彩な客演陣を迎えていたり、いつもと違う点もいろいろとあり、どんな仕上がりなのか少し不安を感じつつ観に行ったのだけれど。

ああ、やっぱり自分はここの芝居が好きだなぁ~、と思いながら帰ってきた。

客演の中村誠治郎さんと劇団の看板役者(の1人)島田朋尚さんのダブル主演で、端正なお2人が並ぶと、とても絵になる。

同じく劇団の看板役者である横井伸明さんは、飄々としたスケールの大きい役がいかにもお似合いで、芝居の要所を引き締める。

いやいや、明日にでもネタバレにならない程度にもうちょっと詳しい感想を書きたいと思うけれど、15人の登場人物それぞれキャラが立っていて見せ場や印象的な場面があり、2時間20分があっという間に感じられた。

笑えて、泣けて、カッコいい、そういう芝居。オススメです。

しゅうくりー夢「異説 卒塔婆丸綺談」、2月7日(日)まで上演中。
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by kiki_002 | 2010-01-30 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
小接近
夜空を見上げると、月が明るい。明る過ぎて、星はあまり見えない。

ただ、月のわずか下方に、赤い星がひとつ、ひときわ明るく輝いていた。

……そういえば、このところ火星が明るい。地球に近づく時期なのだろうか?と、人に聞くと、「そう、でも小接近だよ」と言われた。

ちょっとだけ、近づいているの……?その言葉がなんとなくロマンチックに思えるのは、きっと気のせいだろうけど。

火星小接近。明るい月の下で、赤い星がくっきりと輝いて。空の星も日々その姿を変えていくのだ。明日の夜にはまた、少し違う星空を観ることができるだろう。
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by kiki_002 | 2010-01-29 23:59 | 日々のこと | Trackback | Comments(2)
しゅうくりー夢『異説 卒塔婆丸綺談』、初日!!
本日、しゅうくりー夢の『異説 卒塔婆丸綺談』が初日を迎えた。

残念ながら、今日・明日は都合がつかなかったけれど、土曜日には観に行きます。

いつもの公演とは違う部分もいろいろあるようなので、期待も不安もあるけれど、とりあえずはもう、ホント楽しみ♪




しゅうくりー夢 25周年記念公演 第壱弾!
『異説 卒塔婆丸綺談』

静かに凪いだ洋上に、響く鈴の音、浮かび上がる卒塔婆の影・・・
海賊船、卒塔婆丸(そとばまる)

奴らに見つかったら最後、金も、命も根こそぎ奪われる
その卒塔婆丸に乗り込む、二人の若者

静かに凪いだ洋上に、響く鈴の音、浮かび上がる
名を、「とら」「たつ」と言う

彼らは波に揺れる海賊船の舳先から、海を見つめていた
自分たちがとんでもない荷物を背負い込んだ事も知らずに・・・・・

しゅうくりー夢25周年記念公演 冬の陣!
乞うご期待! (公式HPより)

作・演出:松田 環

キャスト:
中村 誠治郎 / 島田 朋尚
宮田 彩子 / 桃瀬 ツカサ
松田 環 / 原 丈二 / 松澤 太陽(テアトル・エコー)
平山 佳延 / 吉田 玲奈 / 中村 知世
鈴木 優介
各務 立基(花組芝居) / 中村 英司(Z団) / ワダ・タワー(クロカミショウネン18)
横井 伸明

公演日時: 2010年 1月28日(木)~2月7日(日)
※ 30日(土)・31日(日)18時の部は、終演後トーク中心の無料イベントがあります。
会場:恵比寿・エコー劇場
料金:4,800円 (全席指定・消費税込) 

詳しくは、しゅうくりー夢公式HPへ
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by kiki_002 | 2010-01-28 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
マンガ「魍魎の匣(もうりょうのはこ)」(4)
原作:京極夏彦
作画:志水アキ
出版社:角川書店
発売日:2010/1/23

とうとう、京極堂が動き出した。

1巻目を読んだときには、この長い小説をマンガで描いていくと、いったい何巻で完結するんだろう、などと心配したけれど。

ふだんは本に埋もれて座り続けている京極堂が動き出せば、物語は結末へとスピードを上げて動き出す。

まずは、魍魎退治の寺田兵衛との対決。あの京極堂が軽やかにマジカルステップを踏む様子は、マンガだからこその楽しみ。

久保竣公の部屋へ警察が踏み込み、木場の旦那は美馬坂と対決するべく、『箱館』へと向かう。

探偵は、小説家と編集者をつれて、やはり『箱館』へ。

そうやって、この物語に関わった人々が次々とそこへ集まり、そしていよいよ京極堂が現れて憑物落としを始める。

重い過去や隠されていた事実が、しだいに明らかにされていき……、それが人々を自由にしていく。

そして、その建物の持つ本当の意味。人間が生きるというのは、どういうことなのか。死なないことと生きていることは違うのか。どんな形でも生は生か。

その忌まわしいひとつの回答が、明確になるのは次の巻になるらしい。

まあ、またしばらくは楽しみに待つことにしよう。
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by kiki_002 | 2010-01-27 23:30 | | Trackback | Comments(0)
32,753
これが何を表す数字なのか、おわかりになるだろうか?

32,753人。去年1年間に自殺した人の数。過去5番目に多い数字なのだそうだ。12年連続で、3万人を超える方が自ら死を選ぶ国。それは、いったいどういうことなんだろう……?

『苦しいときに助けてと言えない社会は、生きにくい社会』。以前読んだ、ある小学4年生が書いた作文の中に、こんな言葉があった。その少年が、何を思ってこういう言葉を書いたのかはわからないけれど。

私たちが生きているのは、そういう生きにくい社会なのだろうか?

自分に何かできることがあるのか、それすらわからないけれど。32,753人。その数字は、決して他人事ではない。私の知ってる誰か。私の親しい誰か。あるいは私自身が。

……その重い選択をする前に、せめてひと言、周囲の誰かに助けて、と言ってみることはできないだろうか。私はただ、そんなふうに願うことができるだけだ。
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by kiki_002 | 2010-01-26 23:54 | 日々のこと | Trackback | Comments(5)
観世流仕舞入門 宅稽古⑯
さて昨日は、今年2回目のお稽古。「東北」キリの3度目。

いざ動き出してみると、全然動きが頭に入ってなくて、グダグダ。おっかしいなぁ、だいたい流れはつかめたかと思ったのに(泣)。

あれだけ丁寧に教えていただいた7つお拍子を踏むところも、やっぱりできてない。あ~あ、わかったと思ったのに(泣)。

部分ごとに先生について復習。ああ、そうそう。先生の動きをみると思い出すんだけどねぇ。今回の敗因は、謡の内容を調べてなかったことかも。曲の内容がわかった方が、やはり動きやすい。

ワキの僧侶へ向かって問いかけるとか。鳥の飛ぶ方を見渡す、とか。意味がわかった方が覚えやすいよねぇ、やっぱり。

シテ謡のところも、どんな抑揚だったかも忘れていたけれど、先生について謡ううちに、なんとなくいい感じに。少しだけ褒めていただけてうれしい。


お稽古の後、初謡会の話題。そういえば、その練習もしないと。うちに帰ってテキストを読み返し、どんな曲だったか思い返してみる。会の前に、先生の方でも1度は見てくださる予定だけれど、自分でも練習しておかないと間に合わない。

テキストを見直しているうちに、なんとなくやる気が出てきた。思わず初謡会でやる曲を口ずさむ。ちょっとスイッチ入った感じ。このままの勢いで、自主練習できればいいなぁ。(←願望?)
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by kiki_002 | 2010-01-25 23:58 | 習い事など | Trackback | Comments(0)
PEOPLE PURPLE『ORANGE』
平成22年1月17日(日)13:00~、吉祥寺・前進座劇場にて。

え~っと、まだモタモタと先週末観てきた舞台の感想を書いてま~~す。すいません!

脚本・演出/宇田学

出演/
宇田学・山根基嗣・植村好宏・森下仁佐恵・袋小路林檎・柏村有美・吉井ミワ・
濱谷晃年・鎌田亜由美・伊部夢花・北原絢子・習田歩未・沖元大輔・西野俊大 

七條孝夫(Felix)・原敏一(劇団赤鬼)・一明一人・宇仁菅綾(ババロワーズ) 他 

あらすじ/
舞台は、神戸の「湊山消防署」。ここには日々命の最前線で闘う者たちが居た。
湊山消防署の小日向や石丸は普段はふざけあったり、鍛錬しあったり、談笑しあったり、何気ない時間を過ごしていてもいざ指令が入れば自分の命をかけてでも要救助者のために災害現場に突入する。消防士なら誰もが憧れる特別救助隊員。
通称「オレンジ」
だが、そんな彼らも「あの時」大きな敗北感を胸に抱えていた。

―――あの時、何が起こったのか。―――

阪神・淡路大震災。その時に起こった真実の物語が、そして今なお災害と闘い続けている消防士達の真実の姿が、明らかになる。

―――命とは。

最大のスケールで、最大のテーマに挑む。誰もが涙し、誰もが称賛した感動巨編がここに。
あなたは、いのちの輝きを目撃する――――。(劇団HPより)


いや、これはねぇ……。勧めていただいた方々に感謝したい、そういう舞台。今年はまだ1月も終わらないけど、2010年の観劇まとめを書くときに、きっと触れざるをえない作品だろうと思う。この勘はたぶん、外れません。

劇団の公式HPにあったあらすじを読んでも、聞いていた話から想像しても、重いドキュメンタリータッチの作品を予想していた。

けれど舞台が始まったとたん、オープニングはダンス。……えっ?

それから始まる物語、訓練や作業の様子と併せて、まず印象に残るのは、個性的だけれど、ごく普通の人々の日常。冗談も言う、デートもする、けれどいざ現場へ、という事態になれば、頼れるプロとしての顔で災害に立ち向かう。

そこで彼らが守るべきものは、人々の命。その重さが、彼らの肉声を通して、すぐに観ている我々にも伝わってくる。

ああ、と観ていて思った。テレビではない、映画とも違う、舞台でのドキュメンタリーって、こういうことなのか。

災害の真っ最中でも鎮火した後でも、舞台のセットが大きく変わるわけではない。照明や音楽、人々の演技で状況はきちんと伝わるけれど、そういう場面の迫力で言ったら、大掛かりな映像で表現した方がきっと伝わりやすいだろう。

しかし、その災害の中で、人が何を思い、どう感じているのか、そういうモノが生々しく伝わってくるのは、目の前で生身の人々が演じている舞台ならではなのではないか、そんなことを漠然と思ったのだ。

ま、それはともかく。

過酷な状況。一秒を争って、的確な判断が求められる現場。その中をオレンジのユニフォームを身につけたレスキューが行く。

そんな彼らが、レスキューを目指す後輩たちに伝えようとしたのは、それは15年前のあの震災のこと。

この回想シーンが、圧巻だった。

突然の大地震。助けを求める人々。崩れ落ちた家々。機材も物資も水もままならない状況下で、必死で戦う彼ら。彼らにだって、家族がいるだろう…と思った矢先に、病院からの連絡。それでも、持ち場を離れないで戦い続ける……。

助けを求める声。助けられなかった命。その痛ましさに、会場中がすすり泣く。

そんな経験を若者たちに伝えながら、彼らはいまもより多くの命を守るために戦っている。そして……。

いや、もうねぇ、泣きました。こんなに泣いちゃ、ひどい顔になってしまって帰りに外を歩けないんじゃないか、なんていう馬鹿なことをチラッと思いつつ、泣きました。

それでも、つらいことや哀しい場面ばかりではなく、日頃の彼らの明るさや友情、そして悩み苦しむことがあっても、やはり前に向かって歩き出そうとする勇気に、力づけられたりもした。

実際のレスキュー全員から話を聴いて書いたというこの作品。事実の確かさと切実さが、この芝居に力を与え、それを多くの方に伝えようとする劇団の方々の思いが、この舞台の感動を支えているのだろう。

命の大切さを真正面から描いた骨太な作品。大きなメッセージを、きちんと芝居として昇華させたその力技。

あれからちょうど15年目となった日に、この作品を観ることができてよかったと思う。ありがとうございました。
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by kiki_002 | 2010-01-24 23:57 | 舞台 | Trackback | Comments(4)
世田谷シルク『美しいヒポリタ』
平成22年1月16日(土)・17日(日)18時~、小劇場 楽園にて

原作/W・シェイクスピア(『夏の夜の夢』より)
脚本・演出/堀川炎

出演/
石井舞
岩田裕耳(電動夏子安置システム)
大竹沙絵子
串山麻衣
下山マリナ
塚越健一
堀越涼(花組芝居)
前園あかり(バナナ学園純情乙女組)
緑川陽介
緑茶麻悠(ochazukewemens)
堀川炎

W・シェイクスピアの喜劇『夏の夜の夢』からヒントを得て、情報化の海で起こる恋愛模様をお送りします。ダンスを使った現代口語と古典の融合。エッジ切れきれのストーリー変化も健在です。現代だからこそ出来る夏の夜の夢。電子音のビートを感じながらぜひお楽しみください。(公式HPより)


さて、またまた遅ればせながら先週末観てきた舞台の感想を。

この世田谷シルクは、劇団…というか、堀川炎さんの個人ユニット(?)で、毎回古典を元に、さまざまな場面や要素を加え組み替えて、ダンスなどを合わせて自在に料理してみせるコラージュ演劇を上演。2人芝居「接触」以来、堀越涼さんが続けて出演されている。

今回のお題は、シェイクスピアの「夏の夜の夢」。この芝居はねぇ、毎年必ずどこかで上演されている人気の演目。自分としては、華やかでにぎやかなスタジオライフでの上演とプリミティブで幻想的な劇団 月ともぐら版が印象に残っている。

もちろん、世田谷シルクだから、ストレートに夏夢をやるはずはなく。とはいえ冒頭は夏夢から、婚礼を待つシーシアスのセリフで始まった。

物語の舞台は、ネット通販やモバイルゲームなどを行っているベンチャー企業。結婚の決まった社員のお祝いをしようとか、昨夜の飲み会の話題とか、社内恋愛の様子とか。

そこへやってくるのが、現在開発中のモバイルゲームを担当しているSE。結婚の決まった社員のお相手でもある。

小さなオフィスでの恋愛喜劇と、そこで開発中のモバイルゲーム、そして「夏の夜の夢」の3つが、重なったり入れ替わったりしながら、物語は進んでいく。

若いキャストが、きっちりと古典のセリフを綴っていく様子が好ましく、現在のオフィスとリズミカルに切り替わる感じが心地いい。

オフィスの場面では、唯一の部外者であり、かつ女子社員の婚約者でもある上杉を演じる堀越涼さん。夏夢部分では、結婚式を待つシーシアスであり、同時にパックでもあって。

やんちゃでスタイリッシュなパックは予想どおりチャーミングだったけれど、意外に、気配り上手なSEのソフトな雰囲気がきっちりハマっていてよかったと思う。

テンポのいい構成。オフィス部分の会話の確かさ(特に女性同士のややイジワルな感じが好き)。現代風俗へのやや皮肉な目線。タイトルにも示されたラストのオチ。きっちりと楽しませていただいた2時間弱だった。

仕事で1日中パソコンに向かい、その間も携帯を片時も手放せない登場人物たち。インターネット・携帯・モバゲー・ブログ・mixi・アバター・出会い系・ネットショッピング……あまりにも身近なオンライン生活。ああ、自分も最近あんな風だよなぁ、と身につまされつつ、その一方で、じゃあ、そういうこととあまり馴染みのない方が観たらどうなんだろう、という疑問も少し。
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by kiki_002 | 2010-01-23 23:57 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
「能楽現在形 劇場版@世田谷」
平成22年1月16日(土)13:00~、世田谷パブリックシアターにて。

半能「高砂 八段之舞」
  シテ(住吉明神):片山清司
  笛:一噌隆之 小鼓:成田達志
  大鼓:亀井広忠 太鼓:観世元伯 ほか
能「邯鄲」
  シテ(盧生):観世銕之丞 ワキ(勅使):宝生欣哉
  アイ(宿の女主人):野村萬斎
  笛:杉信太朗 小鼓:幸正昭
  大鼓:亀井広忠 太鼓:大川典良 ほか

能楽のあらゆる可能性を求めて活動する「能楽現在形」。600年の歴史を誇る能楽がもつ“演劇”としての魅力を改めて見出し、舞台芸術としてのさらなる可能性を切り拓くことを試みます。

今回は気鋭の観世流シテ方をゲストに迎え、年明けにふさわしい祝言性豊かな半能『高砂』と、幻想的かつ演劇的な要素が凝縮された能『邯鄲』をおおくりいたします。
世田谷パブリックシアターならではの、劇場空間から発信する能楽の“現在形”にご期待ください。
(劇場HPより)


……遅ればせながら、週末観てきた舞台の感想を。

世田谷パブリックシアターでの『能楽現在形』を観るのは、2度目。前回は、幻想的な半能「融」と一大スペクタクルとなっていた能「舎利」とで、能楽堂とはまた違う能の面白さを堪能した。

さて、今回。左右と正面奥に向かう3本の橋掛かりを持つ、この劇場独特の能舞台。

まずは半能「高砂」。曲はよく耳にするけれど、観るのは初めて。

能舞台の外側、上手に地謡、下手に囃子方が座る。まずは地謡。上手にワキの宝生欣哉さんが、下手にアイの萬斎さんが、紋付袴姿で登場し、そして、正面のスクリーンが上がり、シテの片山清司さんがご登場。

特に最後の舞は、仕舞のお稽古で習ったこともあり、興味深く拝見した。

舞い終わると、シテは正面の橋掛かりを奥へと素早く立ち去って、すぐにスクリーンが降りてくる。


「邯鄲」では、一畳台が床から競り上がり、上からは灯りが下がってきた。

宿屋女将役の萬斎さんは、長い髪の鬘。ふだん狂言で見る美男鬘とはちょっと違うような気がした。

その女将が、とおりがかったシテに声をかけ、手にしていた枕を渡す。その枕で一眠りするうちに、使いのものが現れて皇帝として招かれる。

さきほど横になった一畳台がより高くせり上がり、全面に階段が現れ、その上でシテが舞う。しだいにまた台が下がってきて、そこからシテが飛び降りて、またひとしきり舞い、最後に一畳台に飛び込むと、宿屋の女将が起こしにくる。

長い人生を過ごしてきたはずが、粟の炊ける短い間に見た夢だったのだ……。

まあ、「邯鄲」は有名な話だけれど、こうして観ると意外にドラマチックに感じられる。特に、夢の最後の部分の舞から、台に飛び乗り、すぐにまた元の宿屋で目覚める部分は、知っているはずのオチなのに、なんとなくハッとさせられた。

三間四方の能舞台の外側に地謡や囃子方を置いたり、傾斜のついた橋掛かりや照明などを活用したり、能楽堂で観る能とはずいぶん雰囲気の違うものになっていた。
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by kiki_002 | 2010-01-21 23:56 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
  
だって、好きなんだもん!
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