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告知 DULL-COLORED POP『SHORT7』
ゴールデンウィーク……とは言っても、仕事の種類や状況によって、あまり関係ない場合もあるだろう。個人的には、いわゆる暦通りってヤツで、カレンダーに赤い字で数字が書いてあるところはお休みなのだけれど、だからといって遠くに出かけるプランがあるわけでもない。

でも楽しみなこともあって、何かといえば、ご想像のとおり、例によって舞台を観ることなんだけど。

このタイトル、ショートセブン……ではなく、しょーと×しょーと×しょーと×しょーと×しょーと×しょーと×しょーと、と読むんだそうな。ショートの七乗ってことらしいんだけどね。つまり7は小さく書かなきゃいけないんだろう。ここにはうまく出ないけれど。

7本の短い芝居を一挙公開という公演なんだけど、もうハッキリ言ってお目当ては、堀越涼さんの一人芝居『藪の中』。

だいたい、芥川龍之介が好きだし。『藪の中』って作品は、複数の人間の証言が矛盾して、結局事件の真相がわからない話のようにも言れている。でも、丁寧に読み解くと、ちゃんと誰が真実を述べているのかわかる仕掛けになっている……ということを、大昔どなたかの評論で読んだ覚えがある。

これを堀越さんの一人芝居で観るなんて、自分にとってはもう贅沢の極みっ言ってもいいだろう。

7本の芝居のうち4本をAプログラム、3本をBプログラムとして、別けて上演するのだけれど、一方を観てからもう一方を観ても、リピーター割引がきくらしいし、いずれにしても両方観たいとは思ってる。『藪の中』はBプログラムだけれど、Aプログラムの『ソヴァージュばあさん』にも堀越さんがご出演になるだそうだしね。(あ、モーパッサンも好き。だけどこれはどんな話だったか思い出せないなぁ……)

ま、そういうわけで詳しくはこちら。
ショート7特設サイト(DULL-COLORED POP)

上演期間は、明日から5月6日まで。……ってことは、いわゆるゴールデンウィークとバッチリ重なっているってことなので、もし時間に余裕のある方は、ぜひ観に行ってみてください。
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by kiki_002 | 2009-04-28 23:02 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
柿喰う客 JAPAN TOUR「恋人としては無理」千秋楽
平成21年4月4日(土)14:00~、シアターZOOにて。

作・演出/中屋敷法仁

出演/
七味まゆ味
コロ
高木エルム
中屋敷法仁
佐賀モトキ(客演)
堀越涼(花組芝居)
ご当地スペシャルゲスト:弦巻啓太(弦巻楽団)


横浜で観てから約1ヶ月、「恋人としては無理」をまた観に行ってきた。5月には愛知の演劇博覧会「カラフル3」セカンドステージでまた上演されるらしいけれど、とりあえずこのツアーとしては、今日が千秋楽。

大きなインパクトを受けた初見の舞台から、さまざまなモノが削ぎ落とされ整理されて、ますます完成度の高い舞台となっていた。

たとえば、トム・クルーズとダ・ヴィンチのくだりが潔くカットされていたり、それぞれの役を入れ替わりつつ演じていく芝居なのだけれど、同じ場面なのに違う役者さんが演じていたり。

しかし、そんな間違い探しをする間もないほどの緊迫感が後半の舞台を覆う。愛すること、信じることのせつなさと強さ。

弟子たちがイエスに惹かれていった様子を振り返る辺りや、最後の晩餐での裏切りのキス、ユダの絶望の表情、そして使徒たちのその後。

コロさんが言い放つ「……わかって欲しくもないけどな」というヤコブの最後のセリフに、鳥肌が立つ。

シンプルになったばかりではなく、序盤での日替わりご当地ネタ(エルサレムで何をしたい?)などは、これでもかというくらいタップリ。「柿喰う客」を初めて観る方がそのテンションに乗れるかどうか、ちょっと気になったりしつつも、思わず腹を抱えて笑う。

そういえば、事前には予約が少ないように聞いていたけれど、客席はいっぱい。そのたくさんの観客が、話が進むに連れて舞台にどんどん集中していく雰囲気が感じられ、気持ちよかった。

ポストトークは、劇団主宰の中屋敷さんとご当地ゲストの弦巻啓太さん。

いきなり、中屋敷さんが近いうちに結婚される(!)など、舞台以外の話題で盛り上がる。今日が誕生日で25歳になったばかりという中屋敷さんは、以前から結婚願望が強かったとのこと。いやホント、おめでとうございます!!

その後、芝居についてのトークの真っ只中で、帰りの飛行機の時間もあって、最前列なのに途中退席。ホント申し訳ない。いや、横浜ではそんなにポストトークが長くなかったし、ともかく読みが甘かった……。

そういえば、ご当地ゲストが仕切るまで続く日替わりネタもたっぷりだったし、弦巻さんはしっかり語っていくタイプなのかも。弦巻楽団も拝見したくなった。

ともあれ遠征した甲斐のある、いい舞台だった。皆さま、お疲れさまでした。
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by kiki_002 | 2009-04-04 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
「恋人としては無理」についての追記
本当に何もない、ガランとした舞台。

大道具もなく、小道具も、キャラクターを示すアイテム以外は何も使われていない。

衣装も黒一色。

音楽もなく、ときにわずかな効果音が使われるのみ。照明も、いつもの柿と比べると驚くほどシンプル。

そこにあるのは、役者の放つ言葉とその声。そして役者の動き。ただそれだけなのに、いったいどうしてこんなに心を揺さぶられるのだろう。

繰り返して観ると、その流れの無駄の無さに驚く。濃密な濃密な1時間5分。
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by kiki_002 | 2009-03-08 23:57 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
柿喰う客 JAPAN TOUR「恋人としては無理」
平成21年3月7日(土)14:00~、STスポットにて。

■恋人としては無理
柿喰う客のオリジナル作品。2008年、フランスにて初演。
民衆から救世主と呼ばれている浮浪者と、彼に従い旅を続けるバックパッカーたちの物語。
「記号」に裏付けされた独特の演技法と、スピーディかつスタイリッシュな空間演出で、人間存在の不確かさを鮮やかに風刺する。
2008年3月、ブザンソン(フランス)で行われた『フランシュ=コンテ国際学生演劇祭』で初演。4月に東京で凱旋公演を行い「CoRich舞台芸術まつり!2008春」最終審査に残る。
(公式HPより)
 
作・演出/中屋敷法仁

出演/
七味まゆ味
コロ
高木エルム
中屋敷法仁
佐賀モトキ(客演)
堀越涼(花組芝居)
ご当地スペシャルゲスト:中野成樹(中野成樹+フランケンズ)

その独特の手法については、事前に聞いていた。役者と役が固定されずに、登場人物を表す小物を持つとき、その役者がその人物を演じるのだという。

黒一色のスウェット姿で登場した6人の役者と、イエス・その12人の弟子・ピラトという14人の登場人物。当然、人数は合わない。しかも、6人のうち男優が3人、女優が3人。12使徒も半数は女性という設定になっている。男女関係なく、入れ替わり立ち代り何人もの役者に演じられていく登場人物。面白いかもしれないけれど、きっと感情移入はしにくいだろうと予想していたが。

しかし、それは見事に裏切られた。

冒頭は、よく柿らしいと言われるハイテンションで早口で、小ネタ満載のセリフの連射。やや聞き取りにくい部分もあるが、この辺りはたぶんひとつひとつのセリフの内容に依存せず、ただその世界に巻き込まれていけばいいのだろう。

しだいに見えてくるのは、ひとつの不在だ。イエスがいない。皆が彼について語り、彼のことを思っているのに。その不在が、かえってその人への気持ちを高めていく。そして語られる弟子たちの過去。彼らが何故、イエスについてここまできたのか、ということ。

とうとう一瞬だけ、イエスが現れるのは……、ユダが彼を裏切ったその瞬間。ひと言のセリフもないまま、ユダを絶望させるイエス。このとき、ユダを演じていた堀越さんの表情がとても印象的だった。

イエスの死後、散り散りになった弟子たち。この辺りのセリフは、けっして早口でもなければ聞き取りにくくもない。しかも、あいかわらず役者が入れ替わりながら演じているのに、登場人物の思いがしっかりと浮かび上がりつつある。

イエスを愛するペトロ。そのペトロへの幼なじみヤコブの愛情。そしてヤコブの妹 ヨハネの無垢。それを演じるコロさんの美しさに目を見張った。

復活したイエスが、弟子たちの前に現れ始め、一度は逃げたはずの弟子たちの多くが殉教者となっていく。彼らの語る言葉から見えてくるイエスの姿。彼らは、不確かなものを信じたのか。あるいは、人として人を愛していたのか。

こういう芝居だとは思わなかった。これを観るともう、勢いとかテンションとか、そういうことを語る必要はない。手法の斬新さに目をくらませられるけれど、もしかするとこれは、純愛の物語なのかもしれない。
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by kiki_002 | 2009-03-07 23:21 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
世田谷シルク 堀川炎一人芝居~銀河鉄道の夜より~『傑作』
平成21年2月14日(土)19:00~、ART THEATER かもめ座にて。

世田谷シルク 堀川炎一人芝居
~銀河鉄道の夜より~『傑作』

宮沢賢治の銀河鉄道の夜をアレンジして、一人芝居のコラージュ演劇にしました。内容の根底は変わらないですが、演出法を世田谷シルクならではのポップとダークを兼ね備えた一人芝居でお送りしたいと思っています。
ゲストは独自のカムパネルラを演じます。現代口語、朗読、ダンス、デバイジング、+アルファ、他では見られない世界をお見せします。ぜひ一度ご覧ください。(公式HPより)

作・演出・出演/堀川炎

※ステージゲスト(お芝居します・・・) 
14日(土)14:00~ 上野友之(劇団競泳水着・主宰)
14日(土)19:00~ 堀越涼(花組芝居)
15日(日)14:00~ 長内那由多(劇団恋におちたシェイクスピア・主宰)

     ※     ※     ※

少し前に観た2人芝居『接触』が、とても好印象だった世田谷シルク。今度は堀川炎さんの一人芝居だという。……とはいえ、それぞれの回に個性的なゲストを迎え、ともに舞台をつくっていくようなので、実質的には2人芝居と言った方が適切かもしれない。

宮沢賢治には、けっこう思い入れがある。特に、いくつかの詩には心惹かれて、暗唱できそうなくらい繰り返し読んだものだ。そのくせ、あまりにも有名なこの物語についてはずいぶん以前に読んだきりだったので、詳細を思い出せないまま、この芝居に臨んだ。

舞台は、原作どおり教室の場面から始まる。教師の問いに答えられないジョバンニ。それを見て、自分も答えようとしないカムパネルラ。

宮沢賢治の「銀河鉄道の夜」のいくつかの場面。その合間に、まったく違う一人芝居の場面が織り込まれる。

たとえば、天然系(?)の女の子ゆり子ちゃんが、ボーイフレンドに語るネオンテトラ飼育のいきさつや巫女アルバイトの話。

本筋の方では、堀川さんのジョバンニが活版所から帰り、母と話す様子がとてもいい。この方の演じる少年や少女はとても愛らしい。

カンパネルラが母について語る場面。たぶん原作どおりであろうそのフレーズ、自分の死で母が悲しむであろうことを語っている部分で、すでに切なくなる。

堀越さんは、死んでしまった少年をときにロボットめいた声を織り交ぜて演じる。

ジョバンニは、カンパネルラに何が起きたのか、まだ知らない。「君の母さんには何も悪いことなんかないじゃないか」と言うジョバンニに、ただ微笑むだけのカンパネルラ。

後半、やや長めの日替わりゲストのコーナー。

この日は、堀越さんが大向こうの声のかけ方を指導する人という役回りで、彼自身の演技に対して、その屋号「水郷屋(みさとや)」と声をかけるやり方を観客に指導する、といった体裁で進められた。

歌舞伎風の演技として、花組芝居の「ザ・隅田川」から入間家姉娘 花子のセリフを。これはまあ比較的、かけやすい。現代ものの芝居は、昼ドラに出てきそうな関西弁の女将の演技。こちらはなかなかタイミングがとりにくいかも。最後は「もののけ姫」から。いや、これは声をかけるよりもついつい真剣に聴き入ってしまった。だって、上手いんだもの。アシタカとシシ神さまの会話とか。

会場全体を巻き込んで、しっかり沸かせていた。

終盤、乗っていた船が沈んでしまったときの話をする青年やザネリを助けたときの話をするカンパネルラ、死を前にしたそれぞれの思いが痛ましい。

このあたりの原作にはないカンパネルラの独白は、「銀河鉄道の夜」関連の書物から引用されたものなのだろうか。

全編を通じて、生と死に思いを馳せるようなモチーフが連なる。

以前観た「接触」もそうだった。今回の「傑作」でも、軸となる物語を置きつつ、そこにさまざまなモチーフを散りばめ、断片を積み重ねることでひとつの芝居をつくっているようだ。

メインの物語以外の部分については、どこか共通するイメージを持ちつつ、それぞれ異なったテイストの芝居を見せてくれて興味深い。

明日にでも「銀河鉄道の夜」を探してきて読み返してみたい、そんな気持ちになった。
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by kiki_002 | 2009-02-14 23:57 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
花組芝居「泉鏡花の夜叉ヶ池」天地会
平成21年1月18日18:00~、青山円形劇場にて。
ダブルキャストを堪能した後、今度は天地会を拝見した。

出演/

萩原晃:嶋倉雷象、美斉津恵友
百合:山下禎啓、丸川敬之
山沢学円:北沢洋
白雪姫:大井靖彦、小林大介

万年姥:堀越涼
競泳の鯉七選手:各務立基
大蟹五郎:二瓶拓也
山椿:横道毅
黒和尚鯰入:磯村智彦
与十:水下きよし
元祖鹿見宅膳:原川浩明
権藤管子:秋葉陽司
斎田初恵:桂憲一
畑上カデンシア:溝口健二
伝吉…水下きよし、小林大介
穴隈モントルイユ:加納幸和
太郎:谷山知宏

これがねぇ、キャストをシャッフルしただけでなく、小ネタや遊び心が満載で、どなたかがおっしゃっていたように、ファン感謝デーのような楽しくて贅沢な舞台だった。

最初に登場する学円。登場したときは老人の仕草。それからスッと背筋を伸ばして、舞台へ向かって歩いていく。

舞台上の鐘が上がって、現れた晃と百合を観て、会場がどよめく。嶋倉さんの晃は、なかなか凛々しく、百合を演じる山下さんは、自前のロン毛でヅラ要らず。

学円と百合のやり取りでは、鐘に向かってピストルを撃ったり、お茶を出す場面でビールを出したり、梨をむいて客席に配ったり、油断のならないネタの応酬。

だけれど……。実はあなどれないのは、芝居部分の確かさ。北沢さんの学円ももちろんだけれど、百合を演じる山下さんの立ち居振る舞いといいセリフといい、なんとも風情があるのだ。

ギャグの合間をぬって、物語はいつもと同様に進んでいく。ネタを除けば、セリフも段取りも通常バージョンと同じ。なおさらその落差が際立っておかしい。晃と学円の再会場面では、なぜか晃と百合がネギと大根で立ち回りを始めるし。

で、一度はけた百合が、衣装や髪や化粧を直して再登場すると……、えっ?丸川さん?いや、まさか丸川さんの百合が見られるとは思わなかった。しかもなかなかに美しい。

子守唄を聞かせる人形が谷山さんだったり、与十が登場してチュッパチャップスを客席にまいたり、鯉七がビキニ水着だったり、ホントにもう笑い過ぎて腹筋が痛くなりそうだ。

で、堀越さんはどの役だろ?と思い始めたころ、登場した万年姥。白塗りメイクや大きいカツラで、人相はわからないし、腰を曲げているので小柄に見えるけれど、もしや……、と思っていたら。声を聞いてわかった。これが堀越さんだ。

先輩方と比べると、遊びは少なめ。しかし、たっぷりした長ゼリフも、観客参加場面での仕切り方も堂に入ったものだし、手紙が客席に飛んでしまうなどのトラブルや相手のアドリブに対する返しなどを観ていても、なんとなく楽しんで演じていらっしゃるように見えた。

ヒゲの生えた白雪や村人たちのキャラなどはもう、ホントに遊び心がたっぷり。特に、穴隈代議士の妻、という設定の加納さんは、先日の「サド侯爵夫人」でのモントルイユ夫人の衣装でご登場。いやぁ、盛り上がった。

捕らわれの百合を助けに来た晃、今度は美斉津さん。続いて登場した学円は、なんとジャック・スパロウに変身してる。

いやぁもう、だんだんグチャグチャになってきたよ、と思っていたのに。

クライマックスの場面。自害した百合を抱く晃のセリフに思わずグッとくる。だって、すっごく感情がこもってるんだよ。こんなに笑わせた後なのに。

学円と向かい合い、そのまま鎌を自分の首筋にあてる晃。ホントにこの辺り、すごくよかった。たとえ学円が海賊のいでたちだったとしても。

武蔵屋さんの晃は、頼もしくて素敵だったけれど、このくらい若くて切実さを感じさせる晃もいいなぁ、と本気で思った。

妖しいものたちの祝祭の後、立ち去ろうとする学円が、退場間際にまた老人の動きに戻る。こういうのもねぇ、いろいろ考えてあるなぁ、と思ったり。

この天地会を観て思ったのは、花組芝居ってホント、サービス精神が旺盛で、しかも層が厚いというか誰もがどの役でもできるというか、達者だなぁ、ということ。

しかも、一回だけのこの天地会のために、しっかりセリフを入れ、段取りを覚え、ネタを考える、その愛情が、なんとも印象的だった。

こういうのを見せられると、ますますハマっていってしまいそうだ。
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by kiki_002 | 2009-01-20 23:33 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
花組芝居「泉鏡花の夜叉ヶ池」
平成21年1月17日・18日、青山円形劇場にて。

原作/泉鏡花
構成・演出/加納幸和
出演/
萩原晃(鐘楼守):水下きよし(武蔵屋組)、小林大介(那河岸屋組)
百合(娘):堀越涼(武蔵屋組)、二瓶拓也(那河岸屋組)
山沢学円(文学士):桂憲一(武蔵屋組)、秋葉陽司(那河岸屋組)
白雪姫(夜叉ケ池の主):山下禎啓(武蔵屋組)、加納幸和(那河岸屋組)

湯尾峠の万年姥(同眷属) 谷山知宏
白男の鯉七(鯉の精) 美斉津恵友
大蟹五郎(薮沢の関守) 大井靖彦
木の芽峠の山椿(腰元) 嶋倉雷象
黒和尚鯰入(剣ヶ峰の使者) 丸川敬之
与十(鹿見村百姓) ※日替わりゲスト
鹿見宅膳(神官代理) 北沢洋
権藤管八(村会議員) 横道毅
斎田初雄(小学校教師) 各務立基
畑上嘉伝次(村長) 磯村智彦
伝吉(博徒) ※日替わりゲスト
穴隈鉱蔵(県の代議士) 溝口健二


ダブルキャストということで、主人公の萩原晃を演じる役者さんの屋号から、武蔵屋組と那河岸屋組の2つのチームごとに上演されたこの公演。

堀越涼さんが可憐なヒロイン百合を演じる武蔵屋組は当然として、もう一方の那河岸屋組も気になるし、今回はさらに配役をシャッフルした天地会なるものまであるのだ。

これはさぁ、ついつい通うよねぇ。……とはいえ、いまのところ平日は仕事の都合がつきそうもないし、とりあえず土日。

で、まずは土曜のマチネで那河岸屋組。

会場に入って客席に着くと、いやぁ舞台が近い。これで、キャパシティは300席くらいだろうか? 本当に円形の舞台なので、見せる方はたいへんだろう。

定刻をやや過ぎて、いよいよ始まる。

最初に登場するのは学円。……えっ?あ、原作とはちょっと違うんだ。でもこの流れには見覚えがある……気がする。2003年のグローブ座バージョンだ。花組芝居の本公演を観たのは、去年が初めてだったけれど、そういえば2003年に観た「夜叉ヶ池」も花組芝居の役者さんたちが登場していたし、構成・演出をなさったのは加納さんだったのだろう。

原作のイメージを活かしながら、ときに笑いを交えて、わかりやすく親しみやすい流れで、学円と百合との会話や、学円と晃の再会の様子が描かれる。

続いて、人ではないモノたちが戯れ始める。サーカスを思わせる色彩豊かな衣装とメイク。リズミカルで大胆な動き。ずっと昔に観たリンゼイ・ケンプ・カンパニーの舞台を思い出した。

そして、夜叉ヶ池の主、白雪の登場。いやぁ!この白雪がキレイだった。その名にふさわしい真っ白な衣装の加納さんが、情熱的で神秘的なお姫様を演じていた。

村人たちの登場では、ややコミカルなやりとりを加えながら、周囲に流されていく百合の哀れさを感じさせる。そこへ現れる晃の頼もしさ。


さて、ソワレは待望の武蔵屋組。始まるとまず堀越さん演じる百合の声に惹きつけられる。そして、すらりとした学円と晃の旧友同士らしいやりとりが好ましい。

眷属たちや村人たちはマチネと同じキャストだけれど、白雪は拵えからしてまったく違う。鬼とも蛇とも言われる夜叉ヶ池の主の猛々しい外観と抑えきれぬ恋心。

村人に責められる場面では、百合の儚さと同時に、かつて背中に8枚の鱗があると噂されていた妖しさが際立つ。

助けに現れる晃の凛々しさと、言葉を尽くして村人を説得しようとする学円の理智と、晃の顔をじっと覗き込む百合の一途さと。

クライマックスの場面。自害した百合の後を追う晃のまっすぐなまなざしがせつない。


昨年、歌舞伎座で観たものとは、同じ「夜叉ヶ池」でもずいぶんと印象が違う。わずかな構成の変更で、この妖しい物語が僧侶でもある学円の思い出話となり、物語は旅の僧がであった不思議な伝説へと形を変えていく。まるで夢幻能のように。


……あ、天地会については、明日書きます。
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by kiki_002 | 2009-01-19 23:53 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
花組芝居『泉鏡花の夜叉ヶ池』を観る
花組芝居のレパートリーである「泉鏡花の夜叉ヶ池」が、今回はダブルキャストで上演されている。

主人公萩原晃とヒロイン百合、晃の親友山沢学円、そして夜叉ヶ池の主である白雪姫の4つの役をダブルキャストにして、晃を演じる役者さんの屋号で、那河岸屋(なにがしや)組と武蔵屋組と名づけた2組に分けている。

で、それぞれの組を観劇してきた。脚本も演出も同じなのに、演じる人が違うこととやはりずいぶん印象が違うものだ。

那河岸屋では、ぽっちゃりしたお茶目な学円と華奢で可憐な百合、そしてワイルドな晃という組み合わせ。何より加納さん演じる白雪姫の、ワガママで情熱的なお姫様ぶりが美しい。

人ならざるものの祝祭では、ずっと前に観たリンゼイケンプカンパニーを思い出した。

武蔵屋組は、凛々しい学円と清楚で妖艶な百合、そして頼もしい晃という組み合わせ。山下さんの白雪は、蛇とも鬼とも言われる夜叉ヶ池の主の、猛々しい外観から滲み出る恋心がいい。

白雪の眷属たちのポップな動きや客を舞台に乗せたり、客席に歌詞カードを配って歌わせたりと観ているものに一体感を感じさせる演出が楽しかった。

詳しい感想は、また日を改めて。
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by kiki_002 | 2009-01-17 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
花組芝居「泉鏡花の夜叉ヶ池」チケット到着
申し込んであったチケットが到着した。劇団のHPで、「発送しました」という記事を読んだのが一昨日の夜。「普通郵便で」ということだったので、届くまではちょっと心配してしまうが、順調に届いてくれたのでありがたい。

1月12日からのこの公演、主要な配役をダブルキャストで上演する上に、配役をシャッフルして行う天地会という特別公演もある。

お目当ての役者さんがヒロインの百合を演じるだけでも大変(?)なのに、別の配役のものも観たいし、天地会だって気になってしまう。

とりあえず、4回分のチケットを確保。(……とりあえず?)

花組芝居に直接チケットを申し込むと、プレイガイドで発券したチケットではなく、舞台のイメージに合ったオリジナルデザインのものが送られてくる。そんなささいなことでも、なんとなくうれしい。
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by kiki_002 | 2008-12-17 23:57 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
劇団競泳水着第十回記念公演「プリンで乾杯」
平成20年12月13日(土)19:00~、王子小劇場にて。

脚本・演出/上野友之

出演/川村紗也、澤田慎司(劇団掘出者)、大川翔子、

佐野功、堀奈津美(DULL-COLORED POP)、さいとう篤史

和知龍範、細野今日子、境宏子(リュカ.)、須貝英(箱庭円舞曲)

辻沢綾香(双数姉妹)、永山智啓(elePHANTMoon)

渡邉とかげ(クロムモリブデン)

2003年、東京-。共同生活を始めた若者達。
離れては近づく想い。
過ぎ去っていく時間。
訪れるそれぞれの分かれ路。
そして現在-。

第二期・トレンディードラマシリーズ最終章、そして劇団五周年&第十回記念公演。
劇団競泳水着、五年分の愛と感謝を込めてお届けするひとまずの集大成。
豪華客演陣を迎え、過去と現在が交錯するラブストーリーを用意してお待ちしております。
(公式HPより)

恋愛ドラマ……というのが、実はあまり得意ではない。映画やドラマを観るときも、ラブロマンスよりSFやミステリーを選んでしまいがちだし。ましてや、トレンディードラマなどと言われると、「すいません!」と謝って逃げてきてしまいそうだ。

なのに、この芝居を観る気になったのは、柿喰う客の公演でお見かけした方が何人か出演されていたことと、花組芝居の堀越涼さんがアフタートークをなさると聞いたからだ。

そういえば、堀越さんのこの前の舞台「接触」では、この競泳水着の上野友之さんが一部脚本を提供されていたっけ。ただし堀川さんの一人芝居部分だったので、堀越さんが上野さんの脚本を演じてはいなかったのだが。

劇中で使われた「ルームシェア」という言葉より、チラシやHPに書かれていた「共同生活」という言葉がしっくりくる、そんな男女4人の暮らし。バイト仲間が一軒の家をみつけて、そこで共に暮らす中で、行き交ってゆく数々の思い。

ヒロイン郁子とその元カレ亮平を中心に、同居しているつばきの音大仲間への一途な思いや、同じく同居している江藤の郁子への片思い、そしてバンドデビューを目指すまことの決断、などなどリアルな恋心が丁寧に描かれていく。

4人が暮らす家をはじめ、近所のバーや北海道、パリなど複数の場所で、時間軸も2008年から2003年の間を行き交いながら、たくさんの場面が積み重ねられていく。それらが絡み合い、響きあって、若者たちの思いが着実に立体感を持ちはじめる。

まあ、今回の芝居のキャラの中で付き合うとしたら、まことがいいなぁ。恋人の妊娠を告げられた時。一晩考え抜いた結論として、バンドをやめ、仕事を決め、その上で改めて彼女にプロポーズする。

そのプロポーズも、ガバっと土下座しつつ、「オレについて来い!」っていう!!ベタというか、男らしいというか、そのくせ、ちょっと情けない感じもあって、演じる佐野功さんがまたいい感じに男っぽくて。

その後、スーツ姿で友人の相談に乗ってる様子も、なんとなくちょっと大人になった感じで、しかも率直でよかった。

で、まことの次に好きなのが、バーのマスター。ちょっと曰くありげな、気障というか芝居がかってるというか、面白いキャラなんだけど、けっこういろいろわかってるでしょ?っていう感じがいい。この永山智啓さんが他の役を演じるところを観てみたくなった。

バーの場面では、アルバイトから店長になる亜佐美のキャラもいい。あっけらかんとして、ちょっと天然で、でも基本マジメで。マスターとのやり取りを観てると、ついつい笑ってしまう。

ヒロインについては、可愛いくて恋愛以外に何をしているのかが少しも出てこなくて、いやもちろん現実にもそういうタイプはいるけれど、でも、個人的には感情移入しにくかった。男性から観ればああいう女の子がいいんだろうなぁ、と思ってたら、一緒に観た女性がけっこうヒロインを気に入っていたようなので、これは単純に好みの問題らしい。

そんなふうに、観終わった後に誰かといろいろ話をしてみたくなるような、そういう物語。リアルって言うのはこういう意味なのかもしれない。

アフタートークでは、主宰の上野友之氏と花組芝居の堀越涼氏が、飾らないトーンで言葉を交わす様子が心地よかった。出演した役者さんたちも会場で話を聴いていたり、観客もなんとなく肩に力の入り過ぎない雰囲気で、楽しい時間を過ごすことができた。

2009年1月23日には、この劇団競泳水着が正式に劇団として再スタートし、恋愛だけでなく、いろいろなジャンルの芝居を上演するらしい。どんなことになるのか、気になるところだ。
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by kiki_002 | 2008-12-14 21:03 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
  
だって、好きなんだもん!
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