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「怪談 牡丹燈籠」
著者:三遊亭円朝
出版社: 岩波書店(岩波文庫)
発売日: 1955/06/25

まあ、このところすっかり「牡丹燈籠」の話が続いているので、いまさら……という感はあるものの、せっかく原作を読み終えたので、一応感想らしきものを。

こうして読んでみると、いかにも落語らしい因縁話(……というほど落語に詳しくないが、ま、イメージということでご容赦を)。そして花組芝居の舞台は、この物語の雰囲気を手堅くまとめている、という印象がまず最初にあった。

たとえば小ネタのうちのいくつかは、もともとの落語にあったものなのだ。セリフなども、印象的なものは原作にあるものを上手く活かしているように思える。話芸ならではのテンポのよい会話が、舞台でいっそう気持ちのよいリズムを生み出している。

若い侍が、酔った浪人に絡まれて、とうとう斬り殺してしまうのが、すべての発端。そして、殺された浪人の一粒種孝助の、長じて仕えた主人が実は親の仇である飯島平左衛門。この主従の交流と、平左衛門を殺したカップルを追う孝助の仇討ちが、この話の中心となっている。

そしてそこへ、平左衛門のひとり娘お露と、美男の浪人新三郎との恋物語が加わってくる。思い詰めて死んでしまったお露の幽霊が現れるときに、有名なカランコロンという下駄の音や、タイトルになっている牡丹の花を飾った燈籠が登場している。

舞台と比べて、原作の方がいっそう数々の因縁が絡み合い、それぞれが収まるところへ収まったという印象があった。

原作では、新三郎を殺したのはお露の幽霊ではなく、家来同様の伴蔵だったようだが、それじゃ幽霊はホントにいたのかいなかったのか、もしや幽霊話に乗じて新三郎を蹴り殺し、その金を盗んで成り上がったのでは、などと考えてしまったり。

孝助と夫婦になるお徳が単に若くてうぶな娘で、舞台のような奇抜なキャラクターではなかったのも興味深かった。

さて、明日はまた花組芝居の「怪談牡丹燈籠」を観に行くことになっている。今度は、原作との違いをじっくり確認するのも面白いかもしれない。
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by kiki_002 | 2008-09-13 23:23 | | Trackback | Comments(0)
花組芝居「怪談牡丹燈籠」2回目
平成20年9月10日14:00~、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)にて。

原作/三遊亭円朝
脚本・演出/加納幸和

出演/
三遊亭円朝:桂憲一、

飯島平左衛門:水下きよし、家来藤助:二瓶拓也、
黒川孝蔵:北沢洋、

娘お露:大井靖彦、女中お米:磯村智彦、
妾お国:八代進一、

飯島の草履取り孝助:丸川敬之、
若党源助:横道毅、女中お竹:嶋倉雷象、女中お君:松原綾央、

旗本宮野辺次男源次郎:各務立基、
若党相助:松原綾央、田中の中間亀蔵:横道毅、

相川新五兵衛:原川浩明、娘お徳:堀越涼、お徳の婆や:北沢洋、

医師山本志丈:谷山知宏、浪人萩原新三郎:美斉津恵友、
伴蔵:小林大介、女房お峰:加納幸和、下女お増:二瓶拓也

白翁堂勇斎:山下禎啓、新幡隋院良石和尚;溝口健二、

孝助母おりえ:高荷邦彦、荒物越後屋五郎三郎:嶋倉雷象


さて、遅い夏休みをとって花組芝居「牡丹燈籠」2回目の観劇。

どこがどう違う……のかはわからないけれど、なんだか前回よりいっそう面白くなった気がする。小ネタがそのつどツボにはまる。テンポがますますよくなっている。もう一度週末に観るのが楽しみだ。

上にあげた多くの登場人物のうち、印象的なのは伴蔵とお峰夫婦だろう。前半の軽みといい、後半の凄味といい、魅力的な色悪の伴蔵。DM詰めの内職をしたり資源ゴミの分別したり、甲斐甲斐しい世話女房振りに可愛げと色気のあるお峰。この2人、金に目がくらんで新三郎を裏切ったり、やってることはえげつないのに、なんとなく憎めない。

飯島平左衛門はどうみてもカッコいい役だが、冒頭の孝蔵を殺す場面で、買おうとしている刀の切れ味を喜ぶように笑ったような気がした。孝蔵の息子孝助に仇として討たれようと考えていたのは、どこかにそんな後ろめたさがあったのかもしれない。

お国のしごけない着物の着こなしや(そこか?)、良石和尚のいかにも常人離れした雰囲気など、本当にどの登場人物も個性的で飽きさせない。

お目当ての堀越涼さん演じるお徳は、うら若く純情な娘……なのだけれど、エキセントリックでどこか噛み合わない雰囲気が目を引いた。

時代劇とそぐわない数々の小道具やさまざまなネタが何度も笑いを誘い、深刻な復讐劇の暗さを救っていた。

背景に描かれた牡丹の花のように、丁寧な華やかさが舞台をおおっていたような気がする。
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by kiki_002 | 2008-09-10 23:21 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
お取り寄せ
先日観てきた花組芝居の「怪談牡丹燈籠」の原作が、岩波文庫から出ているようだ。

三遊亭円朝師匠の「怪談 牡丹燈籠」。さっそくお取り寄せ。9月14日に観に行くまでに届くのか、そして読み終わるのか?読み終わらない気がするけど、できれば読んでから行きたい。

最初は原作を読まずに観たいんだけど、読んでから観るとまた印象が違うと思うんだよね~。

まあでも、自分でも読み終わらないほうに1000点かけそうになってるのが情けない。いや、がんばります。
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by kiki_002 | 2008-09-08 23:53 | | Trackback | Comments(0)
「怪談牡丹燈籠」
平成20年9月6日18:00~、あうるすぽっと(豊島区立舞台芸術交流センター)にて。

原作/三遊亭円朝
脚本・演出・出演/加納幸和
出演/水下きよし、原川浩明、溝口健二、山下禎啓
桂憲一、八代進一、大井靖彦、北沢洋、横道毅
嶋倉雷象、高荷邦彦、各務立基、松原綾央
磯村智彦、小林大介、美斉津恵友、堀越涼
谷山知宏、丸川敬之、二瓶拓也

花組芝居、初観劇!以前から気になっていたのだけれど、なぜか観そびれていたこの劇団、柿喰う客での堀越涼さんのご活躍に惹かれ、本拠地での娘役が気になって、観に行った。

事前にHPなどを何度かチェックするも、座員の顔ぶれがまだよくわからない。座長の加納さんは、他の舞台で何度か拝見しているものの、それ以外に顔とお名前が一致するのは、お目当ての堀越さんと、柿喰う客での将軍役が印象的だった丸川さんのみ。

もう予習もせずに、まずは観てみよう……ということにした。

物語は、1人の武士が、からんできた酔っ払いを斬ってしまうところから始まる。それから18年後、若く見目良い浪人と箱入りのお嬢様が出会って始まる恋の行方と、4歳で父を殺された若者の復讐劇、2つの物語が交差しあいながら進んで行く。

たくさんの登場人物がそれぞれ個性的に描かれ、 テンポのいい場面転換で、スピーディに物語が進む。 ……って、あれ?柿喰う客の感想と似ているなぁ…。まあ、雰囲気は全然違うのだが。

スピーディであっても、勢いに流されず、丁寧に作られているという印象。役者さんたちはそれぞれ安定感を感じさせる演技で、 いろいろな小ネタを織り交ぜつつ、緊張感の途切れない展開にひきつけられる。

多彩な役者さんたちと、着物や鬘などのスゴさ、舞台装置や小道具の見事さなど、見どころの多い舞台。また観に行く予定なので、詳しい感想はそのときに……。
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by kiki_002 | 2008-09-06 23:59 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
9月は……
先月は、なにしろしゅうくりー夢の夏公演があったし、昨日までは柿喰う客の公演だったし、他にも柿喰う客の田中沙織さんご出演の「ボクコネ」を観に行ったり、「幕末純情伝」をどうしても観たくなったり、友人に誘われて「ガラスの仮面」を観たり、別の友人の強力なプッシュで「新・水滸伝」を観たり、そんなこんなで9本。自分としてはけっこう多め。

で、9月はどうかといえば……まずは花組芝居の「怪談牡丹燈籠」。花組芝居は初見だけれど、これはそうとう楽しみ。

それから劇工房 月ともぐらの「夏の夜の夢」。昨年観た芝居の再演で、ますますパワーアップしてるらしいので、これも期待大。

あれ?芝居は先月と比べるとだいぶ少ないかな。ま、いいけど。

そうそう、芝居じゃないけど『しゅうくりー夢』の劇団イベントがある♪それと、2年ぶりのSMAPライブ。……ま、これはチケットが取れれば、だけどね。

9月の予定はこんな感じ。でもまだ、8月の舞台感想が書き終わってないんだけどね。
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by kiki_002 | 2008-09-01 22:50 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
DVD 花組芝居「かぶき座の怪人2007」
まあ、このブログをよく読んでくださっている奇特な方ならだいたいおわかりだろう。「俺を縛れ!」「みみ」と観てきて、最近すっかりハマっている堀越涼さん目当てで、花組芝居のDVDを取り寄せてみた。

で、観始めてすぐ後悔する。これはDVDじゃなく、舞台で観るべきだった、と。花組芝居の舞台はまだ観たことがないのだけれど、思っていたよりずっとエンターテイメントだった。

母子の情愛を描いた人情物のせつなさや、劇中劇の新劇や歌舞伎の面白さ、歌や踊りの楽しさなど、いろいろな楽しみがあるのだけれど、なにより一番印象に残るのはキャラの濃さ、だろうか。

座長の加納さん演じる八重子の美しさと大女優の貫禄。

植本さんのしのぶの愛らしさ。

屋代さん演じる怪人(?)のかわいらしさ。

お目当ての堀越さんは、女性役かと思っていたら女形の役。なので、女性的な動きをしながら、ときどき男っぽい声を出したり、彼だけが見える幽霊とのやり取りの面白さ、人懐こい感じや芸に執着する感じなど、なかなか面白い役だった。

大勢出ている場面でも、なんとなく他の方より目を惹かれるのは、ファンだからなのか、彼の演技の魅力なのか、まあ両方、というところだろう。

2時間半が短い気がしたり、でもいろいろな要素が盛りだくさんだったり、楽しい舞台だった。皆さん芸達者でサービス精神に溢れた芝居。今度の花組は劇場で観るぞ、と心に決めた。
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by kiki_002 | 2008-07-30 23:57 | 映像 | Trackback | Comments(2)
東京ネジ『みみ』2回目
平成20年7月16日(水)20:00~、五反田 アトリエヘリコプターにて。

ほんの数日前に観たのと、同じストーリー、同じ登場人物。なのにどうして、こんなに印象が違うのだろう。

この前感じたような、ファンタジーと現実との織り成す不思議な柔らかな世界……ではなかった。痛みを感じるほどの激しさで伝わってくる、彼女たちの思い。その切実さが何よりも強く印象に残った。

主人公みみみの不安定さは、彼女が自分を責めているから。いつか自らの耳が聴こえなくなるという不安さえ、自分のせいだという彼女の罪悪感は、いったい何に起因していたのか。

福原和歌の苛立ちは、彼女のプライドと不安。美しい笑顔の下に、見え隠れする狂気。それはただ愛しているからなのだろうか、あの男を。

和歌の夫、福原均。この前はただ身勝手な男と思ったけれど、今回観たら、明らかに病んでいた。うるさいと怒鳴りながら床に携帯を投げつける様子や歌を口ずさんだあとのあの笑いに、嗜虐性が透けて見える。みみみの耳を噛んだだけでなく、これまでの女たちにも何をしてきたことやら。どう見ても危ない男なんだけど、やや壊れた雰囲気が妙に絵になるのは、どうしてなんだろう。

しかも、気持ちの隙間に入り込んでくるような優しい声で優しい言葉をささやく。その声に絡め取られて、動けなくなってしまうみみみ。

同じように絡め取られていた守川愛。人見知りする雲子を気遣って話しかけていた彼女のほんの少しの偽善、それでも本当の言葉もあったはずなのに。いい人でいたかった彼女の罪悪感と絶望と。みみみや守川の陰りや孤独を、福原は感じ取っていたのかもしれない。獲物として。

カミソリを手にする守川。電話の向こうでは男が女を抱き寄せている。

これがみみみの罪悪感の正体。彼女の耳に流れ込む、心の軋むような守川の絶望のうめき声。それを思い出したとき、痛々しいまでの切実さでみみみの感情が動いていく。嵐のように。

嵐に飲まれそうになったみみみに、正面から向き合おうとする芹沢。「こういうとき、やっぱりオレ名前を呼びたいよ」というところでグッときてしまった。どこまでも誠実に相手と向き合おうとするその姿勢に。

そこで芹沢がつむぎ始める言葉から流れ出す光。少女時代の雲子が守ってきたキレイな思い出たち。つらい思い出と同じ数だけ幸せな思い出。それは雲子にとって、許しであったのだろうか。

ここでようやく、少女の失くした耳をみつけて、ひとつの旅が終わる。

芹沢は、最初にみみみに耳掃除をしてもらったとき、少女の雲子に連れられ耳を探す旅へ迷い込んで行ったのだ。不思議な国を彷徨いながら、ようやく見つけた彼女の殻。それを破って耳を取り戻したとき、現実に戻ることができたのだろう。すべては、この間に芹沢の見た幻なのかもしれない。そして、その後、芹沢がみみみに電話する場面が本当の始まりなのだと、思った。

その後のいちるとみみみと芹沢、3人の場面。コンプレックスだった名前を、「かわいい」と言ういちるの明るさ。いちるもすでにここでは、セーラー服ではなく。静かなやさしい時間が流れ始めていた。
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by kiki_002 | 2008-07-17 23:37 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
今日は残業もせず、
急ぎ足で職場を出た。先日観てきた東京ネジの『みみ』を、もう一度観るために。

17時近くなって急遽打ち合わせがひとつ。時間を気にしながらも、これからしばらく仕事でお世話になる人たちなので、愛想だけはちゃんと振りまいておく。

そんなこんなで、予定よりやや遅れて職場を出た。乗ろうと思っていた電車に間に合うだろうか。夕方の通勤通学時間帯、駅に向かうバスや道路の混み具合がもどかしい。

……間に合った。乗れた。これでひと安心。おニューのiPodでなぜかジュリーの曲を聴きながら、ちょっと居眠り。一度乗り換えて、五反田の駅に着く。そして劇場へ。土曜日に来たばかりなので、迷うこともなく。

客席には溢れんばかりの人。

舞台は、正直前回よりも沁みた。何故だろう、今日はやわらかいというより激しいものを感じた。詳しい感想はたぶん明日。(明日千秋楽なんだよね。行けないけど)
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by kiki_002 | 2008-07-16 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
東京ネジ第10回公演『みみ』
平成20年7月12日(土)20:00~、アトリエヘリコプターにて。

作/佐々木なふみ
演出/佐々木香与子

出演/
みみみ(草居雲子):佐々木なふみ
女王様(少女時代のみみみ):佐々木富貴子  
芹沢光一郎(フリーライター):窪田道聡(世界名作小劇場)
福原均(ベンチャー企業の会長):堀越涼(花組芝居)
福原和歌(均の妻):両角葉
守川愛(福原の元恋人):中村真季子
宇佐見マリ(福原の秘書):太田みち
乾忠男(福原の運転手)・犬:大塚秀記
乾いちる(忠男の娘):清水那保(DULL-COLORED POP)
森春行(福原の部下、いちるの恋人):印宮伸二(劇団神馬)

えっと、昨日観た順序とは逆になるけれど、まずは東京ネジの「みみ」。

会場は五反田駅を降りて、キャッツシアターの前を通り過ぎ、ローソンの角を曲がった先。劇団のブログを頼りにたどりついたそこは、元は工場だったらしい。そのためか、なんとなくセットめいた不思議な雰囲気のロビーを抜けて階段を上ると、100席ほどの客席と向き合う、思ったよりゆったりした空間のステージ。

耳かきを仕事にしているヒロイン みみみ。その仕事を取材に来たフリーライターの芹沢は、彼女の繊細でやや不安定なキレイさに惹かれていく。手さぐりのように少しずつ、彼女のことを知ろうとする芹沢とみみみとの会話。交差していく過去の場面。みみみの少女時代の幻が犬を連れて、失くした耳を探している。

耳が不自由だという彼女に、膝枕で耳掃除をしてもらいながら客はいろいろな思いを吐き出していく。彼女が聴こえないことに安心して。

平行して描かれる、一人の男。若くして成功した福原は、美しい妻に優しい言葉をかけながら、次々と別の女性との恋愛を続けていく。

キャスト表に説明を書いてみたら、どうもほとんどの人間関係がこの福原を中心に整理できそうなのだけれど、その割に登場している場面はそれほど多くない。しかし、彼を巡って、いろいろな女性の思いが交差しながらストーリーが進んでいく。

積み上げられていくシーンによって、しだいにみみみが心と耳を閉ざしている理由がわかってくる。

小学生時代の初恋の人に似ていた福原との恋愛。いや、彼女や他の女性にとっては恋愛でも、男にとっては最初から浮気にしか過ぎない。みみみと福原の場面で感じさせる男の身勝手さ。悪気のないふりをする、ずるい男。でも、こういう男って、いそうだよ~~。柔らかな口調や物腰が、かえってどこか冷たさを感じさせるところなんか、もういかにも。

全体に女性の目線で描かれてるなぁ、と思うのは、こういうところ。男性はどちらかというと類型的な描き方をされていて、4人とも「あ、いるよね、こういう人」って思える。

たとえば、乾忠男がポケットから飴を出して、「はいアメちゃん」と人にあげる感じとか、妻の不在を忘れたように「お母さん!」と呼んでしまう様子とか。こういうお父さん、いかにもいそうな気がするでしょ?

一方、女性の登場人物の描き方は、ものすごくリアルで辛辣だ。特に、福原の妻 和歌のじっとりとした怒りは、観ていて怖くなってしまう。

それをあおるように、情報を集めてくる福原の秘書 宇佐見のしたたかさ。わかっててやってるだろう、あんた!と思わせる憎たらしさがうまい。

それから、福原の会社の社員(で、その時点ではみみみの同僚)で福原の元恋人、守川という役も説得力があった。なんとなく、親しい友人の恋の悩みを聞いてるみたいな気がしてくる。そうしたら、絶対言ってやるのに。そんな男、早くやめた方がいいって。だからこそ、彼女がみみみに電話をしながら自殺するシーンに胸が痛むのだろう。

しかもそのとき、福原はみみみの部屋にいたのだから。みみみは、守川からの電話を受けながら、抱き寄せる男の動きの優美さに抗えないでいたのだから。

そのため、ある朝突然、耳が聞こえなくなったとき、みみみは思うのだ。これは、わたし自身のせいだと。罰だと。

そんなみみみの心を開いていく芹沢の誠実さと優しさ。みみみが自分の過去と向き合うとき、それは悲しみやつらさだけでなく、楽しいことやいとおしいこともたくさんあったはずだと言う芹沢の大きさは、ある意味女性にとっての理想かも。この2人の関係は、見ていて応援したくなってしまう。

それから、セーラー服を着たストーカー美少女いちると調子のいいサラリーマン森の関係が、最後に逆転していくところも観ていて気持ちいい。相手の言葉と思いを、ちゃんと聴いていなかったのは、誰だったのか。ずっと会話が噛み合っていなかったのは誰のせいだったのか。何も考えていないように見えて、女の子は本当はいろいろ思っているんだよ。と、いう感じが好き。

繊細にやわらかく積み上げられてく物語の中には、考えるとけっこうダークなところもあるのだけれど、みみみの少女時代を演じる佐々木富貴子さんの透明な声が、物語を幻想的なイメージにまとめている。

誰かを好きになることの怖さと、それでもやっぱり素敵なことなのだというときめきと。ちょっとビターなチョコレートのような物語。
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by kiki_002 | 2008-07-13 10:48 | 舞台 | Trackback | Comments(4)
1日に2つの
お芝居をハシゴするのは、苦手だ苦手だとなんども書いてるくせに、ついついそういう日程を組んでしまうのは、いったいどういう巡り合わせなんだろう?

と、いうわけで、今日のマチネは。

新感線☆RXの『五右衛門ロック』。劇団☆新感線は初めて観る。だいたい、去年の『朧の森に棲む鬼』を観そびれたのは痛恨だった。ムリしても観とくんだったなぁ、と思っていたので、チケットが確保できてからずっと楽しみにしていた。

で、ソワレは。

劇団東京ネジの『みみ』。これはもう、今月に入ってから、急に「行く!」と決めたので、他に行ける日がなかったのだ。公演期間中の週末はこの土日だけだし、明日の日曜日は家の都合で出かけられないし、平日はいまのところ仕事の予定が読みきれないし。

いや、もう『五右衛門ロック』と同じ日でもいいから行く!だって、いま一番気になってる役者さんが出るんだもん。(←いつもながら、このミーハーぶり。……結局自業自得ってヤツだ)

で、行ってきました、マチソワ。また全然違うタイプの芝居で、どちらもいろいろと面白かった。例によって、感想は近日中に。
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by kiki_002 | 2008-07-12 23:58 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
  
だって、好きなんだもん!
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