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忙しい人
このところ似たような話題ばかりで恐縮なのだけれど、
「国盗人」を観て以来、この舞台と野村萬斎氏のことが気になって仕方がない。

パンフレットや「新訳 リチャード三世」を読み返したり、
千秋楽までにもう一度なんとか観に行こうか、などという野望(?)が脳裏をよぎったり、
(これは諸般の都合で断念)
手持ちの雑誌(先月発売のシアターガイド)を引っ張り出してインタビュー記事を読んだり。

タイミングのいいことに、
7月29日(日)、地元のホールで予定されている宝生流の能の公演に、
萬斎氏が狂言「梟山伏」の山伏役でご出演されるらしい!
それを聞いて、さっそくチケットを手配してきた。
ちなみになぜかこのチケット、ぴあでは取り扱いがなく地元プレイガイドのみ。
だからこそ今頃になっても入手できるのかもしれない。

ついでに、ネットで萬斎氏ご出演予定の舞台をざっと検索してみた。

まず7月14日までは「国盗人」の東京公演。(当然チケットはすでに完売)
で、16日には大分で「万作・萬斎の会」として狂言を、
それから、「国盗人」を今度は兵庫で25日から27日まで。
28日は渋谷で喜多流の能の公演があり、そこで狂言「昆布売」にご出演。
29日は上述の公演があり、8月1日は「国盗人」の新潟公演。

8月、9月も、ずっとこんな調子で、毎日のように公演があり、
それぞれ演目も違えば場所も北海道から九州まで津々浦々。

ひぇ~、そうとうハードだよねぇ?
27日まで兵庫で悪三郎を演じていて、
次の日に東京で狂言、その翌日はまた地方で別の狂言って、
いくら身についた芸とはいえ、切り替えるのに苦労したり、疲れたりするんじゃないかなぁ……。

まして「国盗人」は演出も萬斎氏なんだから、
ホールが変われば、変更したり調整したりしなければならない点も多々あるだろうし。

ネットで出てこなかったお仕事だってたくさんありそうだし。

などと余計な心配をしつつ、それでも29日を楽しみにしている。
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by kiki_002 | 2007-07-11 01:15 | 舞台 | Trackback | Comments(1)
「国盗人」についての雑感
6月30日、7月7日と観てきた「国盗人」についてもう少し。

友人が、「以前観た『リチャード三世』はとても凄惨だったんだけどね」と言った。
だが、「国盗人」はもう少し軽やかで、そして主人公の非道さよりも、悲しみが印象に残る。

どんなに酷いことをしても悪三郎を憎むことができないのは、
彼の欲望がわかりやすく、彼の言動が終始ユーモラスであったからだろう。
多くの台詞に洒落や皮肉を含んでおり、何度もニヤリとさせられた。
その滑稽な言い回しや表情などは、狂言師たる萬斎氏の面目躍如というところだ。

2度目に観たときは、舞台に近い席だったため、表情がよくわかっていっそうおかしかった。

たとえば王になることが決まったとき、悪戯がうまくいったときの子どものような顔で、
「選ばれてあることの恍惚と不安とふたつ、我にあり。ヴェルレーヌ」
などと、言うものだから思わず吹き出してしまった。
ついでに「アデュー!」だなんて。

そんな悪三郎が、次第に追い詰められ、余裕を失っていくのを観ていると、
ついつい彼に感情移入していってしまう。

自らしてきたことの報いとはいえ、
女達の呪いを一身に受け、殺めてきた者たちの影に怯えるさまは哀れだ。

決戦前夜、舞台手前の悪三郎と、その向こうにいる理智門が、似たフレーズを繰り返すシーン。

掛け合いのように、それぞれの言葉を発する悪三郎と理智門の対比が、いっそ残酷に見える。
神と正義を信じ、背筋を伸ばし微笑みを浮かべ、味方を励ます理智門。
影に怯え、すでに誰も信じることのできなくなっている悪三郎。

勝利を予言する夢を見ている理智門の安らかな眠り。
一方、悪三郎は、亡霊に祟られてうなされ、苦しげに寝返りを打つ。
その時の彼の手がなぜか印象に残っている。

悪夢から目覚めた悪三郎の悲痛な独白。

~誰を恐れる?自分自身?他に誰がいる?いや、俺は自分を愛している。本当に?~

幾千もの兵士より影が恐ろしいのだというその心の闇……。

戦場で、馬を駆り狂ったように戦う姿や、馬を失い足を引きずりながらなおも戦おうとする姿。
いつの間にか、ずっと共にあった影法師さえ理智門の元へ。
そして死の瞬間。
死の象徴である面をつけ、ゆっくりと背を反らせて倒れていく様子は美しくさえあった。

そんなふうに観ていたものだから、アンコールで萬斎氏が笑顔を見せたとき
なんだかほっとしたのかもしれない。
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by kiki_002 | 2007-07-10 01:06 | 舞台 | Trackback | Comments(0)
2度目の「国盗人」
7月7日、2度目の「国盗人」観劇。
席は前から2列目、左側の通路近く。

ちょうど一週間前にこの舞台を観て、もう一度観に来ようと決めた。
観終わった今、やはり来てよかった、と思う。

あわてて手配したのに望外のよい席だったことや、
ほんの一週間前に観たばかりだったこともあり、
今日はじっくりと役者さんの表情や声や動きを堪能した。

舞台の前の階段を多用した悪三郎の独白や、客席を生かした演出などに、
今回もすっかり入り込んでしまった。

そして、決戦前夜に悪夢にうなされ、転々と寝返りを打つ悪三郎に痛ましさを覚えた。

カーテンコールの最後で、悪三郎の顔からご自身の顔に戻り、
ようやく笑みを浮かべて客席に小さく手を振った萬斎氏に、ちょっとときめいた。
多くの観客が彼を眼で追っているのを知っているように、
舞台を去る直前に一瞬振り向いたのもちょっとツボでした。

……って、我ながらいつもこんなミーハーなことばかり言ってますね。すいません。
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by kiki_002 | 2007-07-07 23:27 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
「国盗人」
作:河合祥一郎、演出:野村萬斎、
出演:野村萬斎、白石加代子、石田幸雄、大森博史、今井朋彦、山野史人、小美濃利明、月崎晴夫、じゅんじゅん、すがぽん他

6月30日、世田谷パブリックシアターにて観劇。
席は3階のセンター近く。

いやあ、楽しかったです。

そもそも「リチャード三世」なので、多くの人が死ぬ陰惨な物語という印象があるし、
そこに、狂言の台詞回しを取り入れているようだし、
正直、もっと地味な(というか重々しい)仕上がりを想像していた。

しかし、その予想は外れた。
前半はほとんど原作に近い流れで、複雑な人間関係がややわかりにくいながら、
原作にもある洒落などを活かし、随所に笑いを散りばめていた。

悪三郎=リチャードが、後に妻となる杏=アンを口説くシーンは、
主要な女性をすべてひとりで演じた白石加代子さんが、
悪三郎に、あなたの美しさゆえ、あなたを手に入れたくてあなたの夫を殺したと言われ、
憎しみから、とまどいへ変わっていく女心を初々しく演じていて印象的だった。

後半はと言えば、もう萬斎氏が、語り、歌い、舞い、舞台狭しと活躍していた。
(これ、ご自分で演出してるんだよなぁ~。マイク持って歌うって、あり?)
などと余計なこと心配をしつつも、
王座を手に入れて、喜びをあらわにする悪三郎に親しみを覚えたり、
客席を巻き込んだ演出を楽しんだり、
影法師や面を象徴として多用する表現にその意味を考えたり、
とにかく多彩な、飽きさせない舞台だった。

終盤、実の母にさえ疎まれ、殺してきた人々の亡霊に怯え、
一直線に破滅へと向かう悪三郎が、観ていてとても哀れに思えた。

全体を通して、演じ手の高い身体性が豊かな表現を可能にしている印象があった。

能舞台をモチーフにした舞台装置は、
メインとなる三間四方の本舞台にあたる部分の奥にもうひとつスペースがあったり、
橋掛リが四方に伸びていたり、
能舞台では演者が使うことのない舞台手前の階段などを活用するなど、
奥行きと広がりのある多彩な場面を表現し、とても興味深かった。
照明や音楽も一体となり、舞台上だけでなく劇場全体が芝居の一部になったように感じられた。

役者さんでは、
悪三郎と対決する理智門を演じた今井朋彦氏の正統派二枚目ぶりに驚いた。
(すいません。新撰組のときの徳川慶喜役とCMの印象が強かったので……)
う~ん、なんて端正ないい声!
他にも、悪三郎の兄善二郎や右大臣の役も演じていらしたが、
役によってそれぞれ雰囲気が違い、この方の芝居をもっと観てみたくなった。

もう一度、できれば今度は1階席で観てみたい、と思いながら劇場を出た。
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by kiki_002 | 2007-07-01 08:40 | 舞台 | Trackback | Comments(2)
  
だって、好きなんだもん!
by kiki
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