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ドキドキさせてよ

だって、好きなんだもん!


by kiki

大槻能楽堂自主公演能「第461回 新春能」

平成21年1月4日14:00~、大槻能楽堂にて。

「翁」
翁:大槻文蔵
三番叟:野村萬斎
千歳:赤松裕一
面箱:竹山悠樹

笛:藤田六郎兵衛
小鼓 頭取:曽和尚靖
小鼓 胴脇:成田達志
小鼓 手先:古田知英
大鼓:河村大
後見:山本章弘、武富康之
地謡:泉嘉夫、泉泰孝、波多野晋、山本正人、
   長山耕三、齋藤信輔、水田雄晤、越知芳彦
狂言後見:石田幸雄、高野和憲

狂言「文蔵」
シテ 主:野村万作
アド 太郎冠者:石田幸雄
後見:竹山悠樹

能「草子洗小町」替装束
シテ 小野小町:山本順之
子方 天皇:武富晶太郎
ツレ 紀貫之:赤松禎英
立衆 河内躬恒:齊藤信輔
立衆 壬王忠岑:水田雄晤
立衆 官女:林本大
立衆 官女:長山耕三
ワキ 大伴黒主:福王茂十郎
アイ 黒主の従者:高野和憲

笛:赤井啓三
小鼓:曽和博朗
大鼓:辻芳昭
後見:長山禮三郎、山本博通
地謡:多久島利之、齊藤信隆、上田拓司、上野雄三、
   生一知哉、浦田保親、寺澤幸祐、井戸良祐

今年の初観劇は、能楽、それも、「翁」から。以前から観たい観たいと思っていた野村萬斎さんの三番叟をようやく観ることができて、いいお正月となった。

着物姿の女性も多く、休憩時間にはロビーで日本酒や甘酒の振る舞いもあり、華やかな雰囲気。

そんな中、快い緊張感と厳かさで、「翁」が始まる。能楽の中でも、他の能とはいろいろと扱いが違うらしく、観ていると芸能というより儀式という印象が強い。

始まる直前、舞台に向けて切り火が切られる。脇正面だったので、火花が散る様子までハッキリと見えた。

若々しい千歳の舞。舞台上で白い尉の面をつける翁。

翁と千歳が去った後、三番叟が舞い始める。ひとしきり舞った後、面箱と問答を交わし、黒い尉の面をつける。鈴を打ち鳴らし、足を踏み鳴らす。観ているうちに、これは舞というより祈りなのだという気がした。

演目の最後に面を外し、橋掛かりを歩く萬斎さんの表情に充足感が感じられた。

「文蔵」では、勝手に仕事をサボって出かけた太郎冠者を叱るつもりだった主が、京都見物がてら主の伯父を訪ねてきたという太郎冠者のご馳走になったものを思い出させるため、石橋山の合戦物語を語っていく。万作氏の語りの見事さと、合間のトボけたやりとりのコントラストがおかしい。

「草子洗小町」は、歌合せで小町と対することになった大伴黒主の策略と、それが明らかになったときの顛末を描く話で、舞台上の人数も多くにぎやかな演目。話の面白さもさることながら、子方の愛らしさが観客の心をつかんでいた。

充実した内容で、気持ちよく能楽堂を後にした。

……お能を観るたびに、もうちょっとマジメに仕舞のお稽古をしなくちゃなぁ、と思う今日この頃。今月下旬には、初謡会がある。次の週末は、「屋島」の自主トレをするぞ、と心に誓いつつ、家路についた。
by kiki_002 | 2009-01-05 22:50 | 舞台