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ドキドキさせてよ

だって、好きなんだもん!


by kiki

劇団四季オリジナルミュージカル『夢から醒めた夢』

平成23年11月2日(水)18:30~、栃木県総合文化センターメインホールにて。

原作/赤川次郎(角川文庫版「夢から醒めた夢」)
演出/浅利慶太
台本/浅利慶太、奈良和江
作詞/奈良和江、浅利慶太
作曲/三木たかし、宮川彬良(マコの物語/ここは霊界空港)
振付/加藤敬二、謝珠栄(二人の世界/暴走族/ヤクザ/誰でもないあたし)

出演/
ピコ:岡村美南、マコ:吉田千恵、マコの母:白木美貴子

メソ/有賀光一、デビル:川原洋一郎、エンジェル:川島 創
ヤクザ:野中万寿夫、暴走族:韓 盛治、部長:田中廣臣
老人:維田修二、老婦人:斉藤昭子

夢の配達人:味方隆司

男性アンサンブル:川野翔、笠松哲朗、小野功司、
一色龍次郎、星 潤、沖田 亘、田井 啓

女性アンサンブル:大橋里砂、大村奈央、濱田恵里子、田中あすか、
橋本 藍、泉 春花、藤岡あや、森田真代、井上万葉、雪野なな、月丘みちる

開演前に、ロビーでパフォーマンスがあるらしいという情報を得ていたので、仕事をサッサと切り上げ、18時の開場直後くらいに会場に。

ホールに入ろうとする行列に並んでいるとき、それが始まりました。

こんな感じ。

劇団四季オリジナルミュージカル『夢から醒めた夢』_f0140491_4273592.jpg


これは、会館入口付近。

そして、ホールに入ると、もっとにぎやかだったんです。

ピエロやマリオネット、楽器を演奏しながら歩くマーチング、妖精みたいな幻想的なキャラクターたちが、開演前の人々の間を歩いたり、手を振ったり、突然近づいてきたり、一緒に写真を撮ってくれたり。

ひゃあ、楽しい~!連れもいないのに、思わず声を出してそんなことをつぶやいてしまいました。

何枚か撮ったはずの写真がブレブレで使えないので、興味のある方はこちらをどうぞ → http://www.shiki.gr.jp/closeup/yume/photo/gp/

そんな感じで開演時間が迫るまでロビーにいたのですが、実は、ステージ上でももうパフォーマンスが行われていました。

手品や輪投げなどで盛り上がっていくうちに、気がつくといつのまにか客席の灯りが消えて、薄い幕の向うで動き出す人々。そして客席から立ち上がる背の高いひとりの男。

彼は夢の配達人。いつもは眠りの中に届ける夢を、今日は劇場で届けてくれると言うのです。

そして現れた元気な少女ピコ。彼女がこれから夢の中で出逢う冒険を、客席の私たちも共にすることになります。

ロビーパフォーマンスから、この辺までの流れがね、ゾクゾクするくらい好みでした。

ピコが訪れた遊園地。この場面のダンスがホント素敵で、ひとしきり続いた場面の終わりには思わずチカラを込めて拍手していました。

ピコが出会ったのは、女の子の幽霊マコ。お母さんとふたり暮らしだったのに、事故で死んでしまったのです。

マコがお母さんと別れを告げることができるよう、ピコは1日だけマコと入れ替わってあげることになります。

天国=光の国への船に乗るための真っ白いパスポートを預り、霊界空港へとやってくるのでした。

そこにいたのは、空港職員のデビルとエンジェル。 真っ白の衣装に身を包んだイケメンのエンジェルより、いかついおっさん(失礼!)なのに、赤い口紅の似合う(?)オネェ言葉のデビルが印象に残りますw

世界中、いろんな国で戦争や貧困のために死んでしまった子どもたちが、ここから光の国行きの船に乗り込む一方、白いパスポートの代わりにグレーのパスポートをもった人たちが奉仕作業をしています。

仕事一筋で家庭を顧みなかった部長、喧嘩で死んだヤクザ、事故で死んだ暴走族。地獄行きの黒いパスポートをもらうほどの悪人ではなく、許されて白いパスポートをもらう日を待っています。

イジメに耐えかねて自殺した少年 メソもその一人。

それから、白いパスポートを持ちながら妻が来るのを長年待ち続けていた老人と、とうとうやってきた妻。

個性的な登場人物とそこで起こる事件にハラハラしながら物語は進み、最後のカーテンコールまで、舞台に釘付けになりました。

中でも、マコのお母さんの娘を思う気持ちに共鳴し、じんわりしたりしました。

あ~、楽しかったなぁ。

地方公演だというのにアンサンブルを含め30人ものキャストは、それぞれ歌もダンスもとても素敵でしたし。

幻想的な遊園地の場面や霊界空港の美術、それぞれの衣装も豪華で楽しかったし。

何より人の優しさを信じられるような物語にホッコリしたし。

S席8,000円のチケットや1,300円のパンフレットは、東京での公演ならともかく地方の公共ホールとしてはちょっと高めだと思ったけど、いやとんでもない、これならもう、仕方ないどころかいっそ申し訳ない、という感じでした。

テンション上がったまま外に出るともうずいぶん空気は冷たかったけど、会場を後にする人たちは皆、幸せそうな顔をしていたような気がします。
by kiki_002 | 2011-11-03 00:20 | 舞台