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ドキドキさせてよ

だって、好きなんだもん!


by kiki

宇都宮能〈宝生流〉

平成19年7月29日(日)13時開演、宇都宮市文化会館大ホールにて。

解説:藤城繼夫

仕舞「竹生島」 朝倉大輔
   「玉之段」 宝生和英

狂言「梟山伏」
山伏:野村萬斎、兄:石田幸雄、弟:高野和憲

能「熊坂」
シテ:前田晴啓、ワキ:宝生欣哉、間:破石晋照

27日の「国盗人」と「蝋燭能」についてまだ書いていないので前後してしまうが、
とりあえず今日観てきた分を先に。

2000人定員の大ホールだが、けっこう空席が目立つ。8割くらいの入りだろうか。
このところ萬斎さんの出る舞台を続けて観たが、
いつも満席で立ち見の出ているときさえあったため、もったいないような気がしてしまう。

「熊坂」を中心に、演目についての解説。終わると客席も明るいまま仕舞が始まる。

短い仕舞が終わり、つつつ、と石田さんが登場。
あ、もう狂言が始まるのね、という感じ。

様子のおかしい弟を心配して、石田さん演じる兄は山伏のもとを訪ねる。
で、山伏が祈祷をするのだが、その最中、突然、弟が両手を羽ばたくように動かし、ほうと鳴く。
梟のしぐさがなんともいえずおかしい。

梟がついたのならカラスの印を、と山伏が怪しげな呪文を唱える。
(「いろはにほへと……」なんていっているので、つい笑ってしまう)

が、そのうち兄まで梟につかれ、兄弟の間で右往左往しながら必死に祈祷を続ける山伏。

兄と弟が梟つきのまま羽ばたいて去っていき、ひとり舞台に残され、じっとしている山伏。
突然、山伏が梟のしぐさで羽ばたき、「ほう」と鳴く。ここで一番大きく笑いが起きた。
そのまま、山伏も羽ばたきながら去っていく。
とにかく3人の梟の仕草に笑った。

そして、「熊坂」。
配られたパンフレットに熊坂の台本が載っていたため、それを確認しながら観る。

ページをめくるとき、客席からいっせいにページをめくる音が聞こえる。
多くの観客が同様に内容を確認しながら観ているのだろう。
このために客席がずっと明るいままだったのだということにやっと気づく。

狂言のときはおとなしく、正直物足りないと思っていた客席だが、
咳払いもほとんど聞こえず、集中して観ている方が多いようだ。
地元の謡曲連盟が協力となっているので、謡いをやっている方なども多いのだろうか。

なるほど、多少なりとも内容がわかれば、それほど眠くならないのだな、と思いながら帰路についた。
by kiki_002 | 2007-07-29 19:11 | 舞台